リスペクトレコード設立30周年記念アルバム!
沖縄、フランス、イタリア、ハワイ、カーボ・べルデなど、多彩な地域の素晴らしき音楽がここに!
- 52ページブックレット封入
- アルバム&曲解説、ボーカル曲には歌詞の対訳付き
- 解説:服部のり子、ポール・フィッシャー、ドミニック・クラヴィク
- ワイドケース仕様
- 全曲マスタリング:田中三一
- チョークアート(紙、バックインレイ、トレイ下):佐藤由樹子
■アルバム内容
様々な国や地域のアーティストとの出会いから生まれたレーベルこそが、リスペクトレコードです。
◆アルバムリリースに寄せて(高橋研一)
1995年10月に設立した私のレーベル、リスペクトレコードが30周年を迎えます。
同年8月にソニーレコードを退社した時は、会社の作り方はもちろん、請求書の書き方すら判らず、さらにリリースするアルバムやアーティストも決まっていませんでした。まさに、暗夜行路とも言うべき船出でした。
それから30年が経過し、沢山のアーティストと出会い、多くのアルバムをリリースすることが出来ました。
この30年を振り返ると、「勢い」が通用した時代であったと思います。
アーティストとの出会いから、その音楽に感動し、感動が原動力となり、アルバム制作へと進みました。
制作エンジンが掛かると、マーケティングや販売予測枚数などを考えるより、アルバムを制作したい!と、その一念のみが先行しました。さらに制作するアルバムは、全て売れるような予感がしたのです。
アルバム封入ブックレットの情報量にもこだわり、私を含めて老眼の方にも読みやすいように、ブックレットの文字を大きくしました。その結果、必然的にページ数が増えて行き、もはや通常のCDケースには収まらず、ワイドケース仕様のアルバムばかりになりました。
CDの売り上げが減少しているという趨勢に逆行するかのように、CDというメディアの価値と可能性を信じ、制作をして来ました。
また、可能な限り、音の仕上がりにも拘りました。
今回リリースのアルバムは、2015年にリリースした、レーベル設立20周年記念盤以降にリリースしたアルバムから選曲をしました。
20周年盤では、海外レーベルからのライセンス音源も多くありましたが、今回の30周年盤はすべてリスペクトレコードの原盤です。(10曲目のみ共同原盤)。
ライセンスより制作費は必要になりますが、本当にリリースしたいと思うアルバムを制作出来たと思います。
音楽ビジネスの形態、世の中の趨勢が変化する中、「勢い」だけで通用する時代ではもはやなくなりました。CDというメディアの衰退も止まりません。
そのような中、今回、30周年記念盤がリリース出来たことには、とりわけ深い感慨を覚えずにはいられません。
また、本作のアルバムタイトル、『RESPECT! THE WORLD』は、まさにリスペクトレコードの体を伝えるものです。
世界に目を向け、文化や思考の壁を超えて、お互いにリスペクトし合いましょう!
沖縄、ハワイ、フランス、イタリア、カーボ・べルデ、ブラジル、アメリカなど、様々な国と地域のアーティストとの出会いから生まれたレーベルが、リスペクトレコードなのです。
最後に、このアルバムに収録することが出来なかった作品が多数あります。私は全ての作品に対して、同じ熱量と勢いを注いで制作して来ました。今回のアルバムに収録出来なかった作品にも、目を向けて頂ければ幸いです。
次回、40周年記念盤がリリース出来ることを願いたいと思います。
■収録曲に寄せて(高橋研一)
試聴 クリックでウインドウが開きます。
- ① かりゆし
- 演奏:真栄里英樹 BIG BAND 作曲:村田陽一
アルバム「ウチナー・ジャズ・ゴーズ・オン」ウチナー・ジャズ・オール・スターズ より
2007年に那覇のライブハウス「ライブイン寓話」にて、ジャズ・ピアニストの屋良文雄さんの知己を得、ウチナー・ジャズへの熱き思いを聞き、いたく感動したことから、ウチナー・ジャズのアルバム制作がスタートしました。
- ② Japan Feeling ジャパン・フィーリング
- 作曲:マティルド・フェブレール
アルバム「バイオリン、それは私〜トリビュート・トゥー・ステファン・グラッペリ〜」マティルド・フェブレールより
2014年リリースの「ジャンゴを巡る素敵な旅」で、情感溢れるマティルド・フェブレールのバイオリンに触れ、いつかソロ・アルバムを作りたいという思いが、結実しました。
- ③ Rayo 希望の光
- 作詞:キャシー・クラレ 作曲:キャシー・クラレ、ライムンド・アマドール
アルバム「これがわたし」キャシー・クラレより
2017年、宮古島在住の女性から突然紹介されたキャシー・クラレ。1990年代に一世を風靡した「渋谷系音楽」シーンで脚光を浴びたキャシーと、2枚もアルバムを制作するとは!
- ④ Proeza 愛すること
- 作詞:マルセロ・ディ二ズ 作曲:フレッヂ・マルチンス
アルバム「エスペランサ〜希望〜」ナンシー・ヴィエイラ&フレッヂ・マルチンスより
2012年、ギリシャのテッサロニキで開催されたWOMEXのステージでナンシー・ヴィエイラを観て、その音楽に一目惚れ。2025年7月には、来日公演が実現しました。
- ⑤ ばんがむり
- 宮古島子守唄
アルバム「美ぎ宮古ぬあやぐ〜青い海ぬ如ん、太陽ぬ如ん〜」松原忠之より
2020年、沖縄島唄案内人の小浜司さんから、松原忠之さんを紹介され、その歌声に惹かれました。この曲では、同じ宮古島出身のアーティスト、下地イサムさんがギターで参加しています。
- ⑥ べーべーぬ草かいが
- 沖縄わらべうた
アルバム「毛遊びマジック〜ライヴ・イン・トウキョウ 1999〜」平安隆&ボブ・ブロッズマンより
1997年、イギリス人音楽ジャーナリストのポール・フィッシャーからボブ・ブロッズマンを紹介され、ライブを開催。沖縄音楽の素晴らしさをボブに伝え、竹富島で平安隆さんとアルバムを録音、そして二人のライブも開催しました。
- ⑦ Sous les ponts de Paris パリの橋の下
- 作詞:ジャン・ロドール 作曲:ヴァンサン・スコット
アルバム「パリ、愛の歌〜永遠のシャンソン&フレンチポップ〜」クレール・エルジエールより
2007年に出会い、4枚のオリジナル・アルバムと1枚のベスト盤を制作しました。真っ直ぐで、素直な歌唱が素敵なパリジェンヌ、クレール・エルジエール!
- ⑧ Brise Napolitaine ナポリのそよ風
- 作曲:ヴェテーゼ・ゲリーノ&ジャン・ペイロニン
アルバム「ナポリとパリのそよ風」クリストフ・ランピデキアより
2018年、ドミニック・クラヴィクからクリストフ・ランピデキアを紹介され、パリのビストロで、クリストフと彼のルーツであるイタリア音楽と、パリの音楽のコラボレーションを語り合い、アルバムに結実しました。
- ⑨ Waikiki ワイキキ
- 作詞・作曲:アンディー・カミングス
アルバム「デュエット〜ザ・コンプリート・エディション〜」レネ・パウロより
2001年に、久保田麻琴さんからレネ・パウロの連絡先を伺い、2002年に最初のアルバムを制作しました。その後、8枚ものアルバムを制作する事になりました。この曲では、サンディーがボーカルで参加しています。
- ⑩ Danny boy ダニー・ボーイ
- トラディショナル
アルバム「チャオ オカリナ!〜ザ・ベスト・オブ・ヨーロピアン・フォーク・ミュージック〜」ファビオ・ガッリアーニ&カンタルーナより
2012年、オカリナ七重奏団 GOB(ゴブ)の公演で、メンバーのファビオ・ガッリアーニと出会い、オカリナの魅力、可能性を体感したことが、アルバム制作へと繋がりました。
- ⑪ Pizzica di San Vito サン・ヴィートのピッツィカ
- 作詞:トラディショナル 作曲:ルイジ・モルレオ
アルバム「リンディネッダ〜小さなツバメ〜」イタリアン・ロンディネッラ・カルテットより
カルテットのメンバー、マンドリン奏者のマウロ・スクイッランテとは、2006年に出会いました。その後、なんと11枚ものアルバムで仕事を共にしました。
- ⑫ テンミカチ ドンミカチ ヒヤミカチ
- 作詞・作曲:前川守賢
アルバム「テンミカチ ドンミカチ ヒヤミカチ」ひがけい子より
2021年、小浜司さんから、島太鼓奏者のひがけい子さんのアルバム制作を打診されました。アルバムには新曲も収録したいと思い、那覇の公設市場の2階から、前川守賢さんに電話をし、曲のイメージを伝え、この曲を書いて頂きました。
- ⑬ 黒島口説
- 黒島民謡
アルバム「黒島、こころのうた~黒島民謡決定盤~」黒島伝統芸能保存会より
2024年、保存会の高那真清さんから、黒島と黒島民謡のことを聞き、黒島民謡のアルバムリリースが皆無だったことから、このアルバムの制作を即断しました。
- ⑭ Swing 42 スウィング42
- 作曲:ジャンゴ・ラインハルト
アルバム「フレンチ・カフェ・ミュージック〜ジャンゴを巡る素敵な旅〜」ドミニック・クラヴィク&フレンズより
ドミニック・クラヴィクとは2006年の出会いから、多くのアルバムを共に制作して来ました。この曲は、ジャンゴ・ラインハルトに捧げるアルバムからです。
- ⑮ 月桃
- 作詞・作曲:海勢頭 豊
アルバム「ウチナー・ジャズ・ゴーズ・オン」収録音源のニュー・ヴァージョン 演奏:真栄里英樹 BIG BAND、歌:安富祖貴子
いつ聴いても、涙が溢れる曲が「月桃」。真栄里英樹さんに、是非、この曲をアルバムに収録したい! とお願いしました。この曲の録音は、テイクワンでOKとなりました。
- ⑯ どぅなんとぅばるま
- 与那国民謡
アルバム「風の吹く島〜どぅなん、与那国のうた」與那覇有羽より
2019年、アルバム「失われた海への挽歌 2019」のリリース記念コンサートの打ち上げで、與那覇有羽さんの声を聴き、アルバムを作りたい!と思いました。この歌の返しは、與那覇桂子さん。
- ⑰ 失われた海への挽歌 2019(ジントーヨー小)
- 補作詞:小浜司 作曲:沖縄民謡
アルバム「失われた海への挽歌 2019」松田弘一、徳原清文、内里美香、村吉茜より
1975年にリリースされた、竹中労さんプロデュースのアルバム「失われた海への挽歌 」に感化され、現代版「失われた海への挽歌」を制作しようと思い立ちました。アルバムに込められたメッセージが集約されているのがこの曲です。
- ⑱ La Pontissalienne ラ・ポンティサリエンヌ
- 作曲:ダニエル・コラン&フレディ・カラーラ
アルバム「アニバーサリー」ダニエル・コランより
2006年の出会いから、9枚のアルバムを制作しました。アコーディオンの魅力を伝えてくれた、素晴らしい演奏者がダニエル・コラン。来日公演も6回、企画しました。
- ⑲ アッチャメー小
- 沖縄民謡
アルバム「ライブ!〜ゆんたくと唄遊び〜」登川誠仁&知名定男より
2000年、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さんから登川誠仁さんを紹介され、その後、8枚のオリジナルアルバム(大城美佐子さん、知名定男さんとの共作を含む)を制作しました。
- ⑳ いつも、ありがとう
- 作詞・作曲:ハシケン
新曲 歌・ギター:ハシケン
ハシケンとは、1998年からの付き合いです。この曲は今回の30周年盤のための書き下ろしで、曲の核は、音楽への感謝です。共演はペダル・スティール・ギターとマンドリンで尾崎博志さん。
■収録アーティストのプロフィール
- ● 真栄里英樹 BIG BAND
- 沖縄を代表するビッグ・バンド。
- ● マティルド・フェブレール
- ジャズ・バイオリン奏者、ステファン・グラッペリの薫陶を受けた、フランスで注目のバイオリン奏者。
- ● キャシー・クラレ
- ウィスパー・ボイスの歌姫。カヒミ・カリィにも影響を与えた。
- ● 松原忠之
- 宮古民謡の巨匠、国吉源次から教えを受けた、次代の宮古民謡を担う唄者。
- ● 平安隆
- 喜納昌吉&チャンプルーズのギタリストとして活躍。その後、ソロ・アーティストとして活躍中。
- ● ボブ・ブロッズマン
- アメリカを代表するギタリストの一人。世界中のミュージシャンと多彩なコラボレーションを展開した。
- ● ナンシー・ヴィエイラ
- アフリカ、カーボ・べルデを代表するシンガー。
- ● フレッヂ・マルチンス
- リオデジャネイロ生まれの、シンガー・ソングライター。
- ● クリストフ・ランピデキア
- 1999年度アコーディオン・コンテストで世界チャンピオンの座を獲得した奏者。
- ● ファビオ・ガッリアーニ
- 世界中で活躍する、イタリアを代表するオカリナ奏者。
- ● レネ・パウロ
- ハワイを代表するラウンジ・ピアニスト。
- ● サンディー
- フラダンサー、シンガーとして多くのリスペクトを集めている。
- ● 前川守賢
- 「元ちゃん」の愛称で知られる、沖縄民謡界の人気者。
- ● ひがけい子
- 沖縄を代表する島太鼓奏者。
- ● クレール・エルジエール
- ジュリエット・グレコの薫陶を受けた、シャンソン歌手。来日公演も多数。
- ● イタリアン・ロンディネッラ・カルテット
- マンドリン奏者のマウロ・スクイッランテ、ギタリストのサンテ・トゥルジ、パーカッション奏者、作曲家のルイジ・モルレオ、南イタリアを代表するシンガー、エンツァ・パリアーラのカルテット。
- ● 與那覇有羽
- 与那国民謡を発掘、伝承し、次世代にも伝える活動をしている、与那国民謡の牽引者。
- ● 黒島伝統芸能保存会
- 高那真清を中心に、黒島民謡を発掘、伝承し、次代に継承する活動を行なっている。
- ● ドミニック・クラヴィク
- アンリ・サルバドール、ジョルジュ・ムスタキなどのギタリストを務める。ダニエル・コラン、クレール・エルジエールのアルバムプロデューサー。
- ● ダニエル・コラン
- 名実ともに、フランスを代表するアコーディオン奏者。来日公演も多数。
- ● 安富祖貴子
- 沖縄を代表するジャズシンガー。
- ● 松田弘一
- 津波恒徳に師事。オリジナル新作民謡を100曲以上創作。
- ● 徳原清文
- 登川誠仁の右腕として。沖縄芝居の地謡をつとめる。沖縄県指定無形文化財琉球歌劇保持者。
- ● 内里美香
- 1980年、南大東島に生まれ。新垣則夫氏に師事。ナークニー大会優勝(最年少記録)、ラジオ沖縄「新唄大賞」で大賞を受賞。
- ● 村吉茜
- 久米島出身。稲嶺けい子に師事。ラジオ沖縄新唄大賞グランプリを受賞。
- ● 登川誠仁
- 「セイ小」の愛称で知られる、沖縄民謡界の巨匠。
- ● ハシケン
- 「ワイド節」の歌唱でも話題のシンガー・ソングライター。奄美観光大使も務める。