ファビオ・ガッリアーニ & カンタルーナ

「チャオ オカリナ!〜ザ・ベスト・オブ・ヨーロピアン・フォーク・ミュージック〜」

Fabio Galliani & Cantaluna “Ciao Ocarina! ~The Best of European Folk Music~”

 ファビオ・ガッリアーニ & カンタルーナ「チャオ オカリナ!〜ザ・ベスト・オブ・ヨーロピアン・フォーク・ミュージック〜」
オカリナ発祥の地、イタリア・ブードリオから届いた素晴らしきアンサンブル!


■アルバム制作に寄せて──ファビオ・ガッリアーニ

オカリナのルーツはヨーロッパの伝統音楽にあります。そして私の考えでは、特にアコーディオンやギターといった、ヨーロッパの民族音楽における典型的な二つの楽器による伴奏を伴うときに、オカリナは最大限の力を発揮すると思います。
こうした理由から、伝統的なヨーロッパ音楽と地中海音楽に関連したプロジェクトを考えました。
今回のアルバムには、陽気なメロディー、そしてメランコリックなものもありますが、オカリナ、アコーディオン、ギター、そして(私の妻の)バルバラの歌声で織りなすサウンドによって、全ての曲がとても素晴らしいものになっていると思います。
様々な収録曲の中から、私が特にスポットを当てたいのは、世界平和への賛歌となった古代カタルーニャの歌、「エル・カント・デルス・オセルス」(邦題:鳥の歌)です。 世界平和はいつも私達の心に強くあるテーマです。
自然に近いオカリナの音は、平和に対する気持ちを思い起こさせてくれます。


■アルバム内容

2023年の来日公演が大盛況を博した、オカリナ七重奏団G.O.B.のメンバー、ファビオが2022年に結成したカルテットのデビュー・アルバムです。
オカリナは、1853年、イタリアのボローニャ近郊のブードリオで生まれたました。創始者はジュゼッべ・ドナーティ。ファビオが使うオカリナは、ドナーティの技術と思いを継承したものです。
このアルバムで聴かれるオカリナの音色は、元祖に近いものと言えましょう。

ファビオはこのアルバムでさまざまなキーのオカリナを演奏しており、「Valzer Siciliano」では6本のオカリナを演奏しています。
また、フィグリーノというオカリナの親戚にも当たる陶製の横笛や、鳥の鳴き声を模した水笛、さらにクラリネットも演奏しています。
弦楽器は、ギターを始めウード、バグラマダキ(ギリシャのマンドリン)、チターラが使われており、パーカッションは、アラブ世界ではお馴染みの打楽器ダルブッカとレク、また木のスプーンもパーカッションとして使われています。
多彩な楽器を使い、ヨーロッパ各地のダンス・ミュージックや、伝承曲をレコーディングしました。
さらに、スペイン・カタルーニャ民謡の「鳥の歌」、1990年代までパレスチナの国歌だった「マウティニー」(我が祖国)も収録しました。

オカリナのルーツを見つめ、さらにオカリナの「平和な音色」を多くの地域、人々に伝えられればという思いが、アルバムには込められています。

オカリナを中心にした、世界で唯一無二のカルテットが奏でる、心安らぐアンサンブルをお聴きください。


■収録曲

編曲(1,2,3,5,7,12,16曲目):Fabio Galliani 7,11,16曲目はボーカル入り

試聴 クリックでウインドウが開きます。

①Danny Boy (IRELAND) ダニー・ボーイ
Traditional
Fabio Galliani:ocarinas AC, SG, figulino, clarinet / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
お馴染みのアイルランド民謡です。ファビオはオカリナ、フィグリーノ、クラリネットを演奏しています。
②Tarantella Napoletana (ITALY) ナポリのタランテラ
Traditional
Fabio Galliani:ocarinas AC, SC / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, “battente” guitar, percussions(riqq)
イタリア南部のダンス音楽がタランテラです。躍動感溢れる演奏が聴きどころです。なおバッテンテ・ギターとは、リズムギターを意味します。
③Sonny's Mazurka (IRELAND) ソニーズ・マズルカ
Traditional
Fabio Galliani:figulino, ocarinas AC, BC / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
ポーランドの農村部のダンス音楽マズルカが、アイルランドに渡りました。ファビオ吹く、フィグリーノという横笛が印象的です。
④Never on Sunday (ギリシャ語タイトル:Ta pedia tou Pirea)(GREECE) 日曜はダメよ
作曲:Manos Hadjidakis
Fabio Galliani:ocarinas AG, SG / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, baglamadaki (Greek mandolin)
映画「日曜はダメよ」の主題歌です。ギリシャのマンドリン「バグラマダキ」の音色が印象的です。
⑤My Old River (ITALY / Original) マイ・オールド・リバー
作曲:Fabio Galliani
Barbara Giorgi:voice / Fabio Galliani:ocarina AC, clarinet, water whistles / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, little percussions
ファビオのオリジナルです。オカリナ製作者のイデルモ・フェッキオを偲んで作られました。
⑥Hava Nagila (ISRAEL) ハバ・ナギラ
Traditional
Fabio Galliani:ocarina SC / Marco Fabbri: accordeon / Laura Francaviglia / guitar, percussions(darbouka, riqq)
ユダヤ人社会では結婚式で歌われてきました。現在は、祝福の歌として知られています。アラブ音楽で使われるパーカッションの豊かなグルーブをお聴き下さい。
⑦Laurina la va in filanda (ITALY) 紡績工場のラウリーナ
Traditional
Barbara Giorgi:vocal / Fabio Galliani:ocarinas AG, SG, clarinet, vocal / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
イタリア北部ロンバルディア州に伝わるワルツで、ロンバルディア方言で歌唱されています。ファビオの奥さんバルバラの歌に、ファビオのコーラスが加わります。
⑧Fandango (SPAIN) ファンダンゴ
Traditional
Fabio Galliani:ocarina AC / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, percussions(wooden spoons)
イベリア半島起源の踊り、またその音楽がファンダンゴです。カスタネットのように、木のスプーンを使ったリズムが印象的です。
⑨The Maids of Mitchelstown (IRELAND) ミッチェルズタウンの娘
Traditional
Fabio Galliani:ocarinas AC, BC / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
アイルランド南部の町、ミッチェルズタウン。多くのミュージシャンに取り上げられて来た楽曲ですが、オカリナを中心にした演奏は初めてかと思います。
⑩Fraylekh (POLAND) フレイレフ
Traditional
Fabio Galliani:ocarinas AC, SC / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, percussioni(darbouka, riqq)
クレズマーやロマの楽団で演奏されてきた、イディッシュ語の歌による人気曲です。
⑪Polesine (ITALY) ポレージネ
作詞:Luigi Fossati 作曲:Sergio Liberovici
Barbara Giorgi:vocal / Fabio Galliani:ocarinas SF, AF / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
ポレージネは、イタリア北東部、アドリア海に流れるポー川の河口あたりです。歌は、ヴェネツィア方言で歌われています。
⑫Valzer Siciliano (ITALY) シシリアのワルツ
Traditional
Fabio Galliani:ocarina AC, ocarina sextet / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, mandolin, percussions(wooden spoons)
この曲では、6種類ものオカリナを演奏しています。シシリアの典型的なワルツです。
⑬Odessa Bulgarish (UKRAINE) オデッサ・ブルガリッシュ
Traditional
Fabio Galliani:ocarina SG / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar, percussions(darbouka, riqq)
ウクライナ生まれのダンス・ミュージックです。パーカッションのリズムが魅力的です。
⑭Mawtini (My Homeland) (PALESTINE) マウティニー(マイ・ホームランド、我が祖国)
作曲:Mohammed Flayfel
Fabio Galliani:ocarine AC, BC,SC / Marco Fabbri:bandoneon / Laura Francaviglia:oud, guitar
この歌は、1990年代まではパレスチナの国歌でした。ウードの音色も印象的な、とても美しいメロディーの楽曲です。
⑮El cant dels ocells (SPAIN・CATALONIA) 鳥の歌
Traditional
Fabio Galliani ocarinas BC, AC / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
平和への祈りを込めて、メンバー全員が心を込めて演奏しました。
⑯Maremma~Partire partiro' (ITALY) マレンマ~旅立つ、私は旅立つだろう
Traditional~Francesco Mechi
Barbara Giorgi:vocal / Fabio Galliani:ocarinas SG, AG, vocal / Marco Fabbri:accordeon, backing vocal / Laura Francaviglia:guitar, backing vocal
祈りが込められた歌詞を、バルバラの歌とカルテットのメンバー全員のコーラスで歌い上げます。歌詞はトスカーナ方言です。
⑰L'inconnu de Limoise (FRANCE) ランコニュ・ドゥ・リモワーズ(リモワーズの無名の人)
作曲:Jean François Heintzen
Fabio Galliani:ocarinas AC, AG, figulino / Marco Fabbri:accordeon / Laura Francaviglia:guitar
マズルカのリズムによる曲です。曲後半のオカリナ、フィグリーノ、アコーディオン、ギターのアンサンブルは、まさにマズルカと言えます。


■参加メンバー

ファビオ・ガッリアーニ
オカリナ、フィグリーノ、クラリネット、ボーカル
G.O.B.のメンバーとして40年以上活動を続けており、またブードリオにあるオカリナ博物館の館長を務める。オカリナの演奏技術、安定感、表現力は世界トップクラス。日本のみならず、韓国、中国などアジア各地のオカリナファンからも絶大な支持を得ている。
マルコ・ファッブリ
アコーディオン、バンドネオン、ボーカル
1994年、カステルフィダルドの国際コンクールにて、アコーディオン奏者として優勝する。その後、ミルバやホセ・カレーラスなど多くの音楽家と共演する。また、アストル・ピアソラの曲の編曲を得意とするほか、アコーディオンの修復家としても有名である。
ラウラ・フランカヴィリャ
ギター、ウード、ギリシャ・マンドリン、マンドリン、パーカッション(ダルブッカ、レク、木のスプーン)、ボーカル
ボローニャ音楽院クラシックギター科を卒業。ギターのみならず、ウード、トルコのサズ、ブズーキなどの地中海地方のさまざまな弦楽器を演奏する。現在、ギターと音楽の教師として、小中学校で教鞭を取りながら、ギリシャの音楽グループ「メラクリデス」などでも活躍している。
バルバラ・ジョルジ
ボーカル
多くの合唱グループや声楽アンサンブルに参加し、現在はバロック音楽とルネッサンス音楽を専門とするハインリヒ・シュッツ合唱団に所属している。

■アルバムクレジット

Produced by Fabio Galliani
Recorded at Studio Goethe by Marco Fabbri (Gnazzano - Bologna, Italy)
Mixed and mastered at studio Chatri by Akihiro Iizuka and Mitsukazu Tanaka (Tokyo, Japan)