デニス・カマカヒ
「オハナ〜素晴しきファミリー・デュエット〜」
ハワイアン・スラック・キー・ギター・マスターズ・シリーズ (22)
DENNIS KAMAKAHI "PUA‘‘OHANA"
“ウクレレを弾く息子デイヴィッドとの純粋なデュエットなど、「オナハ」はかつての良き時代を彷彿させ、デニスの音楽が持つ美しいロマンティシズムをも知らしめてくれるアルバムだ”――ジョージ・ウィンストン
オナハ=家族の繋がりを大事にするハワイ。ハワイアン・スラック・キー・ギターもオハナに深く根ざしています。主要なスラック・キー・ギタリストのほとんどは、最初の演奏の機会を両親や祖父母、叔母、叔父、従兄弟、兄弟などから授けられています。デニスも「スラック・キー・ギターはオハナの影響で自然に身についたよ」と述べています。
本作は息子のデイヴィッドとのデュエットを始め、オハナから受け継いで来たハワイアンの古典作品や、リリウオカラニ女王の作品、そして10曲目のオハナをテーマにしたオリジナル曲など、ハワイの心を伝える素晴らしい楽曲で構成されています。
アルバムタイトルの「オナハ」には、デニスがこのアルバムに世代を超えた伝承を託したいという気持ちを込めています。
「父から子へ、またその子へ、さらにまたその子へ。個々の人間に対し、音楽に対してのアロハの精神が引き継がれて行くことが大切なんだ」(デニス)。
なお7曲目は息子デイヴィッドのウクレレも美しい、映画「八十日間世界一周」の主題歌です。
試聴 クリックでウインドウが開きます。
3、7、10、14曲目はインストルメンタル曲
※2、5、6、10、11曲目はオリジナル曲
1953年ホノルル生まれ。3歳の時に母の古いマーティン製のウクレレを手に取った。その後祖父のデイヴィッド・ナオオ・カマカヒと父のケネス・カマカヒからギターを教わる。
11歳から13歳のころには一日8時間スラック・キー・ギターを弾く様になる。
ギターを弾く中で、ハワイを代表するギタリスト、ギャビー・パヒヌイ、サニー・チリングワース、レオナード・クワン、レイ・カーネ、アッタ・アイザクスなどから強い影響を受ける。またロックからも大きな影響を受け、高校時代に“ナ・パニオロ”というバンドを結成した。
1972年にはハワイを代表するバンド、“ザ・サンズ・オブ・ハワイ”のバンドリーダーであるエディ・カマエに出会い、1973年にメンバーとして同バンドに加わり、多くの曲を作曲し、1995年まで在籍した。
1996年に10年ぶりのレコーディング作となる本「プアエア〜そよかぜのギター、優しき歌声〜」をリリース。またこのアルバムは初めての全曲ソロのスラック・キー・ギターによるアルバムでもある。1999年には息子のデイヴィッドのウクレレを交えてのアルバム「オハナ〜素晴しきファミリー・デュエット〜」をリリースし、話題となる。
その後ジョージ・ウィンストンプロデュースによるアルバム「Hui Aloha」に参加。
2003年には自身のプロダクションを設立。
2011年には最後のアルバムとなる「Waimaka Helelei」をステファン・イングリースと共作でリリース。
2014年4月28日に亡くなる。
生前500曲以上の作曲を行い、多くの曲はハワイアンのスタンダード曲として今も演奏されている。また3回のグラミー賞を獲得しており、2012年にはハワイのミュージシャンとして初めてスミソニアン博物館にギターが収蔵された。その経歴はまさにハワイを代表するギタリスト、ボーカリスト、作曲家として正真正銘のレジェンドと言える。