ケオラ・ビーマー

「コロナへ〜ハワイ、そよ風のギター」

ハワイアン・スラック・キー・ギター・マスターズ・シリーズ (11)
Keola Beamer "Kolonahe"

「コロナへ〜ハワイ、そよ風のギター」
ジョージ・ウィンストン(ピアノ)との共演作を含む、ハワイのカ・マカニ(風)を感じる美しく、そして優しいアルバム。
大ヒット曲「ホノルル・シティ・ライツ」を収録!

■本作について

2012年4月にリリースされたアルバム「モエウハネ・キカ〜優しきハワイの風〜」が大好評を博した、ケオラ・ビーマー待望のニューリリース作品です。

本作にはカ・マカニ(風)にインスパイアされた13の美しい曲が収録されています。 ケオラが本作のコンセプトを思い付いたのは、マウイ島でのある午後のことでした。「私は人里離れた渓谷でハラ(ハイビスカス)の木の下に腰を下ろし、その空間や静けさを楽しんでいた。すると突然、実に素晴らしい壮快な風が吹いて来た。それは木も草も、そこにある全てを愛撫しているかのようだった。その時の風にインスパイアを受けて、このアルバムの構想を思いついたんだ」と本作を制作した動機伝えています。

本作はケオラのスラック・キー・ギターを中心に、古代のハワイアン・チャント、マンドリンのカルテット(1曲目)、ストリングス・アンサンブル(6,7曲目)、そしてジョージ・ウィンストンとの共演(4,7,13曲目)など、幅広い音楽要素が見事にブレンドされています。また5曲目ではイリイリ(石)とギターを交互に使ってユニークな演奏を聴かせてくれます。さらに12曲目には大ヒット曲の「ホノルル・シティ・ライツ」が収録されています。

なお、本作では半数以上の曲がボーカル・トラックになっています。ケオラ・ビーマーの優しい歌声が大変印象的です。


■収録曲

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1. Ku‘u Lei Awapuhi クウ・レイ・アワプヒ
マンドリンのカルテットが参加しているこの曲の歌詞では、恋人をウア・ノエ(霧雨)に濡れたジンジャーのレイに喩えています。ハワイがアメリカの州になる前の時代の作品。作者はエミリー・テイラー。
2. Shaka Slack Key シャカ・スラック・キー
ケオラ・ビーマーのオリジナル曲です。1986年の録音に続いて、今回新たなアレンジで録音しました。
3. Maika‘i Ka Makani O Kohala (How Fine the Wind of Kohala)
マイカイ・カ・マカニ・オ・コハラ(コハラの心地良き風)
心に残るメロディを持つこの曲は、強風で知られるハワイのコハラ地区にある秘境イヌワイの有名な風を思わせます。19世紀末に作られた作品です。
4. The Beauty of Mauna Kea ザ・ビューティー・オブ・マウナ・ケア
ジョージ・ウィンストンのピアノ、そしてケオラのオヘ・ハノ・イフ(竹の鼻笛)をフィーチャーしたこの曲は、ハワイ島の有名な白い雪を戴く峰に対する愛を詩情豊かに表現しています。1970年代初期に発表されたケオラのオリジナル曲です。
5. Pele Trilogy ペレ・トリロジー
イリイリ(溶岩石のカスタネット)がフィーチャーされたこの曲は、ビッグ・アイランド(ハワイ島)についての3曲がメドレーで構成されています。イリイリとギターを交互に使うユニークな奏法が聴き所です。
6. Maui Waltz マウイ・ワルツ
サンフランシスコ・ナヘナヘ・ストリングスとの共演曲。オアフ島出身の偉大なピアニスト、ボブ・ネルスンの作品です。
7. Kauhale O Kamapua‘a カウハレ・オ・カマプアア
ジョージ・ウィンストンとナヘナヘ・ストリングスとの共演曲。ハワイ島に伝わるこの伝統曲では、神話に登場する豚の神で、ベレの恋人である“カマプアア”を題材にしています。
8. He Wahine Hololio ヘ・ワヒネ・ホロリオ
オヘ・ハノ・イフを使ったこの曲は、エマ女王を讃える2つのチャントを元にしており、女王の乗馬への愛を描いています。
9. Blue Water Dolphin ブルー・ウォーター・ドルフィン
ケオラのオリジナル曲です。西マウイの水の美しさに感動して書かれた曲です。そしてこの海域にはイルカが沢山います。
10. He Aloha Mele ヘ・アロハ・メレ
アイヴァ・キニマカ作のこの歌は、やさしいそよ風や、二つの愛らしい茶色の瞳に特別の輝きを与えるホク(星)などについて歌っています。
11. Ipo Lei Manu イポ・レイ・マヌ/He‘eia ヘエイア
この2曲のメドレー曲はカラカウア王に捧げられています。百年以上も前に作られた作品です。
12. Honolulu City Lights ホノルル・シティ・ライツ
1970年代に作られたケオラのオリジナル曲であり、カーペンターズもカヴァーした大ヒット曲です。飛行機の窓から去りゆくホノルルの夜景を見て、万感の想いを込めて歌っています。
13. Ka Makani Kā‘ili Aloha カ・マカニ・カイリ・アロハ
ジョージ・ウィンストンのピアノも美しいこの曲は、ハワイを代表するバラード曲です。マウイに住む男から妻を奪ってゆく風のことを歌っています。


ケオラ・ビーマー・プロフィール

1951年ホノルル生まれ、ハワイ島のカムエラで育ちました。彼の一族のビーマー家は、何世代にも亘ってハワイ音楽に深く関与して来ました。その中にはファルセット歌手でピアニストのマヒ・ビーマーもいます。1973年には初のスラック・キー・ギターによるソロ・アルバムをリリース。オジー・コタニを初め、多くのスラック・キー・ギタリスト達に影響を与えました。また、スラック・キー・ギターの教則本も手掛け、レコーディングではギャビー・パヒヌイから始まり、フィ・オハナ、ピーター・ムーンなど多くのミュージシャンと共演しています。現代のスラック・キー・ギターシーンへのケオラの貢献には、特質すべきものがあります。2012年4月にリリースされたアルバム「モエウハネ・キカ〜優しきハワイの風〜」は大変好評を博しました。