沖縄で絶大な人気と実力を誇る金城恵子、待望の新作!
「歌への思いと歌唱力は群を抜く」──琉球新報2012年1月6日
- 歌詞・対訳・アルバム解説&曲解説付き
- 2013年3月沖縄市にて録音
- 収録時間67分38秒
■本作について
沖縄民謡の真髄を伝える決定盤!
2013年3月15日・16日に沖縄市のサードガレージ・スタジオにて録音された本作は、大ヒット曲の「想い」から「愛の雨傘」「綾心」といった代表曲、幼い頃に一番好きな曲だった「下千鳥(ちぎちじゅやー)」早弾きが堪能出来る「ヒヤミカチ節」など、金城恵子の魅力を網羅した内容になっています。
共演者は妹で琉球筝曲興陽会師範の安慶名久美子。「島の女」の大ヒットでも知られる、登川誠仁門下生の田場盛信。同じく登川誠仁の門下生であり、ベテランの徳原清文。若手実力派であり金城恵子の傍らで芸を磨いている石川陽子です。
■演奏者
金城恵子(歌・三線・島太鼓)
徳原清文(歌・三線)
田場盛信(歌・三線・三板)
安慶名久美子(筝)
石川陽子(歌・三線・指笛)
■収録曲
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- 1. 想い
- (作詞・作曲:川田松夫)
1971年発表のデビュー曲であり、大ヒット曲。好きな男性に寄せる、切ない女心を歌い込んでいます。
- 2. 白雲節 シラクムブシ
- (沖縄民謡)
島唄のスタンダード曲として、多くの歌い手が歌っています。“空に浮かぶ白い雲に、切ない恋心を託したい”と歌い込まれています。
- 3. 十七八節
- (沖縄民謡)
十七、八の頃の若者達の相聞歌です。毛遊びに急ぐ若者の様子を歌い込んでいます。
- 4. ヒヤミカチ節
- (作詞:平良新助 作曲:山内盛彬)
戦後、何もかも破壊され意気消沈しているウチナーンチュを励まそうと作詞された曲です。“我らが沖縄、宝島だもの、心を一つにして立ち上がれ!”と歌い込まれています。
- 5. 水んむらさん二人が仲 ミジンムラサンタイガナカ
- (作詞:上原直彦 作曲:知名定男)
“二人の恋心、止めることはできない、一緒だよ、水も漏れない二人の仲”と歌い込まれています。金城恵子が今一番歌いたい曲。
- 6. サーサー節
- (沖縄民謡)
サーサーと、男女が互いに語りかける、歌遊びの曲です。月明かりの下で、若い男女が歌遊びする姿がありありと浮かんで来ます。
- 7. 義理の苦りさ ジリヌクリサ
- (作詞:平識ナミ 作曲:山内昌徳)
他の目を忍ぶ恋、浮世の義理に苦しむ女性の恋心を歌い込んでいます。
- 8. 恋忍心 クイシヌブククル
- (作詞:上江洲ひろ子 作曲:大城志津子)
作曲は金城恵子の師匠である大城志津子。“恋忍ぶ心、義理も恥も捨てて、此処まで来たが、あなたの姿は見えない”と歌い込まれています。
- 9. 嘉手久 カディク
- (沖縄民謡)
カチャーシー曲のスタンダードです。金城恵子の早弾きが聴き所です。
- 10. 嘆きの渡り鳥
- (作詞・作曲:川田松夫)
“母の懐恋しのび、ねぐら旅立ちたる渡り鳥、自由にならない浮世の嵐、夜半に迷って、涙の翼”と歌い込まれています。
- 11. 綾心 アヤグクル
- (作詞:上原直彦 作曲:沖縄民謡/なんらい節)
生まれた場所も育った環境も違う男女の恋心をデュエットしています。“楽しいことたくさん二人で分かち、楽という美味しい水を、二人して心ゆくまで、ねえあなた”と歌い込まれています。
- 12. 二見情話 フタミジョウワ
- (作詞・作曲:照屋朝敏)
広く愛唱されている新作民謡。名護市二見での男女の辛い別れを歌い込んでいます。
- 13. 愛の雨傘
- (作詞:上間昌成 作曲:沖縄民謡/かたれ節)
デュエット曲の定番としてカラオケ上位にランクされています。“愛の雨傘に二人の思いを隠して、情けの雨よ、もっと降っておくれ”と歌い込まれています。
- 14. 下千鳥 サギチジュヤ
- (沖縄民謡)
戦争で我が子を亡くした親の悲しみが、切々と歌われています。
- 15. ハワイ便り
- (作詞:喜納 松 作曲:川田松夫)
沖縄から移民で渡ったハワイでの、故郷に対する里心を歌い込んでいます。
- 16. ナークニー〜カイサーレー
- (沖縄民謡)
アルバムのラストは沖縄民謡の大スタンダード曲です。2曲共、その場の雰囲気に合わせて即興で歌う、遊び歌です。金城恵子、田場盛信、徳原清文の掛け合いが絶品です。
■金城恵子 プロフィール
1948年、具志川市(現うるま市)塩屋生まれ。古典音楽も民謡もこなし、のど自慢大会に出場しては並みいる強豪を押さえて、チャンピオンになるほどの腕前の父の歌を子守歌に育つ。そんな音楽環境で小学校高学年の頃には三線で難しい芝居の地謡もこなす腕前であった。美容師になるため那覇へ出たものの、修行中にラジオから流れる三線の音に居ても立ってもいられず、大城志津子の門をたたく。程なくして民謡クラブのステージで歌うようになり、1971年「想い」(作詞作曲・川田松夫)でレコードデビュー。女性の胸中の秘めた恋心を艶めかしく歌って大ヒットとなる。その後「あぬよーたいふー」「我ーが判かゆん」「風車情話」のヒット曲で沖縄音楽に艶歌的ジャンルを確立させる。しかし、艶歌や情歌は彼女の一つの側面に過ぎず、早弾きのカチャーシーの三線テクニックや太鼓の腕前は男性演者も舌を巻くほどである。