G.O.B. ゴブ(グルッポ・オカリニスティコ・ブードリエーゼ)
「ベッロ!オカリナ〜美しきナポレターナ&カンツォーネ名曲集〜」
オカリナはイタリア、ボローニャ県の小さな町であるブードリオで1853年に生まれました。焼き物の窯の番人をしていた17歳の少年、ジュゼッペ・ドナーティが焼き物の窯で今のオカリナの形を作り、西洋音階の音が出るようにしたのが始まりです。(音の安定と音域のため、小さな穴を2つ増やして今の形にしたのは、日本人の明田川 孝氏です。)
その後、5種類の異なるサイズのオカリナが作られ、ドナーティを中心としたオカリナ5重奏団が結成され、イタリア各地で演奏活動をスタートさせます。
それ以来、オカリナは合奏で演奏するというスタイルが定着しました。ジュゼッペ・ドナーティを元祖とするオカリナ製作に於ける優れた技術は、ブードリオでは現在に至るまで受け継がれています。
G.O.B.も代々ドナーティの技術と思いを継承したオカリナを使用しています。
イタリアで伝統的に作られるオカリナの形態は卵形で両端が尖っており、とても美しい形をしています。
7重奏は、ソプラノ・アルト・バスのC調とG調の5種類の大きさのもの、さらにそれに2個を加えて7種類として、4オクターブ半の音域を使って合奏します。
1863年にその後のG.O.B.の7重奏に繋がる最初のオカリナアンサンブルが結成されました。
現在のG.O.B.のメンバーは1978年に創立されたブードリオ・オカリナ学校で教育を受けた優秀な奏者で構成されています。
最近では、ブードリオにおけるオカリナの古典的伝統スタイルである合奏のみではなく、オカリナソロやデュオ。またギターやピアノ、本CDの様にマンドリン、クラリネットが加わるといったさまざまな編成によるレパートリーも増えており、活動の幅はますます広げがっています。
2011年にはイタリア文化省によってイタリアの文化遺産として認定されました。演奏活動も精力的に行っており、イタリア国内では1000回を越えるコンサートを行い、さらに海外へと活動を広げ、特に韓国では2010年に3000人を越える観客を前に公演を行いました。CDは「セビリアの理髪師」(ロッシーニ)を始め、ヴィヴァルディの「四季」、ワールド・ミュージックを演奏した「コンテンポラリー・アース」などをリリースしています。
<主な海外ツアー>
オーストラリア(1987,1996,2000)、スウェーデン(1988)、キューバ(1989)、アルゼンチン(1990)、チリ(1990,1999)、オランダ(1990)、ベルギー(1991)、ベネズエラ(1991)、アメリカ(1994)、フランス(1998)、韓国(2010,2012)
本CDはカンツォーネとナポレターネ(ナポリ民謡)に対する敬意を表した作品です。本CDの様な選曲による録音は初めてであり、オカリナ7重奏という演奏形態においても、新たな創造の可能性を考えながら制作しました。
さらに5曲目では女性ボーカル(マルタ・アバーテマッテオ)、6曲目ではナポリ生まれの楽器マンドリン(セルジョ・ジジョッティ)、8と13曲目ではクラリネット(コッラード・ジュフレーディ)との共演を行っているほか、18曲目でエレキベースを中心にしたクラブ・ミュージックとの共演を行っています。伝統の枠に止まる事なく、新しい地平に飛び出していこうとする意欲が伝わって来ます。
アレンジは3,6,9,14,15,17曲目をジュセッペ・パルミジャーニ。2,11,12曲目を若いピアニストで作曲家のダニエル・フルラーティ。1,4,7,10曲目をG.O.B.のアート・ディレクターのエミリアーノ・ベルナゴッジ。5,18曲目はティジアーノ・ポポリ。8,13曲目はステファノ・メディオリ。そして16曲目はG.O.B.のメンバーでもあるピエロ・カレガリです。
イタリアならではのオカリナの演奏スタイル—“合奏”のおもしろさ、美しさを十分に伝えるアルバムです。
アルバム収録曲「ダンス」とジャズの名曲「テイク5」の演奏風景が下記で見れます!
La danza di Rossini
https://www.youtube.com/watch?v=rMbv8C6bznk
Take Five
https://www.youtube.com/watch?v=wV1uSS7459E
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※5曲目は女性ボーカル、6曲目はマンドリン、8・13曲目はクラリネットとの共演。