誠小(セイグヮ)の魅力はライブにあり!2010年8月29日、東京で行われた熱気溢れるライブを完全収録
歌とゆんたく(おしゃべり)が目一杯楽しめる、2枚組138分29秒。
- 東京表参道「EATS and MEEYS Cay」にて録音
- 歌詞・対訳・解説付き
■本作について
2010年11月に78歳を迎えた登川誠仁のライブアルバム。ネーネーズの東京デビューコンサート、りんけんバンド、嘉手苅林昌、大城美佐子、知名定男など、数々の伝説に残るライブを企画してきたEATS and MEETS Cay(ワコール・アート・センターのB1F)の25周年を記念して、久しぶりのオール・スタンディングによるライブハウス・コンサートが行われました。当日は満員のオーディエンスを前に、乗りに乗ったコンサートとなり、演奏はもちろんの事、MCも冴え渡りました。本アルバムはそのコンサートを完全収録した2枚組です。
Disc-1冒頭のMCで「40歳も過ぎて、こんなもんですよ」と言って、満場の拍手を誘っていますが、登川誠仁のもう一つの魅力は、滑稽で洒脱なゆんたく(おしゃべり)にあります。ライブだからこそ楽しめるゆんたくの数々、そして13分24秒に渡る「トゥバラーマ〜誠小の六調節」や15分33秒に渡る「ユンタメドレー」など、ライブならではの白熱のテイクも聴き所です。
さらにボーナストラックとして2009年5月の川崎クラブチッタでのライブから、ダイナミックな太鼓さばきが楽しめる「渡りゾウ〜滝落とし」を収録しました。
歌とゆんたくで登川誠仁の魅力が十二分に楽しめる、充実のアルバム、沖縄民謡ファン必聴の一枚です。
登川 誠仁:歌・三線
仲宗根 創:歌・三線
仲村 奈月:島太鼓・ハヤシ
■収録曲
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DISC 1
- 1. 歌ぬ泉(ウタヌイジュン)
- “歌と三線は人の心を元気にする。さあ世間の人々の為になる様、一生懸命に演奏しよう。”と歌い込まれています。
- 2. 祝い節
- “祝い事は続くよ、御世の嬉しさに、祝え、果報あらんことを。”と歌い込まれています。
- 3. 固み節(カタミブシ)
- 物ごとの成就を求める律動的なメロディが特徴です。
- 4. 南風口説(フェーバラクドゥチ)
- 南風原の若者達が中部の北谷、読谷方面までと、那覇や首里城あたりを歌った道行口説。
- 5. 石川かぞえ唄
- 沖縄石川市(現うるま市)で生まれたかぞえ歌です。
- 6. 遊びションガネー(アシビジョンカネー)
- 八重山に端を発し、現在は沖縄歌劇の劇中歌として歌われることが多い曲です。
- 7. 加那よー
- 舞踊曲として使われることが多い曲です。本CDではオリジナルの歌詞を逆にして歌っています。
- 8. ヤッチャー小〜カイサレー
- 沖縄民謡の代表曲であり、歌い手の持ち味が最も出る曲の1つです。
- 9. トゥバラーマ〜誠小の六調節
- 八重山民謡を代表する名曲と、薩摩地方の伝承歌「六調節」を元に、登川誠仁がオリジナルの歌詞を盛り込みました。
DISC 2
- 1. ちんだら節 〜まんがにすっつぁ
- 2曲とも、八重山を代表する民謡です。特に「ちんだら節」は広く歌われています。
- 2. 池間大橋
- 宮古島と池間島を結ぶ全長1.425mの橋に対する賛歌です。
- 3. 朝花
- 朝花とは愛しい女性の事を例えています。
- 4. ナークニー〜ハンタ原(ハンタバル)
- DISC-1の8曲目同様、沖縄民謡の代表曲であり、歌い手の持ち味が良く出る曲です。
- 5. ヌンヌクソイソイ
- 男女の密会を隠語を用いて面白く暴露していく遊び歌です。
- 6. あやぐ
- 宮古を代表する民謡。あやぐとは「歌」の意味です。
- 7. 伸び行く石川
- 幼少の頃から住み慣れ、親しんだ石川市(現うるま市)賛歌です。
- 8. ユンタメドレー
- ユンタショーラ〜猫(マヤー)ユンタ〜山原(ヤマバレー)ユンタ〜コイナユンタ〜崎山(サキヤマ)ユンタ〜新安里屋ユンタ〜安里屋ユンタ
ユンタとは「歌」の意味で、八重山民謡の「ユンタショーラ」から始まり、様々なユンタを歌い継いで行きます。
- 9. 唐船ドーイ
- 御存じ、カチャーシーの代表曲です。
ボーナストラック
- 10. 渡りゾウ〜滝落とし(登川誠仁太鼓乱れ打ち)
- お祝いの席で演奏されることが多い曲。誠小の太鼓をご堪能下さい。
■登川誠仁 プロフィール
1932年兵庫県尼崎市に生まれ、本島石川市東恩納に育つ。少年時代から音楽〜芸能の才に長け、親に隠れながら歌や三線を独学した。
16歳で当時の主要劇団の一つであった松劇団へ地謡の見習いとして加わり、その後珊瑚座などの人気劇団で修業に励んだ。1957年、小浜守栄、喜納昌永らと共に琉球民謡協会を設立する。同年、神童と謳われた12歳の少年、知名定男が登川に弟子入りする。1970年声楽譜付の楽譜=工工四である民謡端節舞踊曲工工四を発表する。1998年、琉球民謡協会名誉会長となる。
1999年、準主役として登場した映画「ナビィの恋」が沖縄映画史上ダントツの人気をさらった。2002年には映画「ホテルハイビスカス」に出演。2004年には弟子の知名定男と大阪ドームで共演する。2008年、オリジナルソロアルバムとして約6年振りの作品「酔虎自在」をリリース。2010年にはアルバム「歌ぬ泉」を、2011年には2枚組ライブアルバム「登川誠仁ライブ!〜Just One Night at CAY 2010.8.29〜」をリリース。2012年には大城美佐子との共演作「デュエット」をリリース。2013年3月に死去。
主な受賞歴:琉球民謡協会第一回功労賞。沖縄県指定無形文化財に認定。