ナポリ・マンドリン・オーケストラ
「ナポリ、愛の歌〜永遠のカンツォーネ名曲集〜」
歌:ルチャーノ・カタパーノ
イタリア・ナポリで生まれた楽器マンドリン。マンドリンの教育機関として、1929年にナポリ・マンドリン・アカデミーが設立されました。その後紆余曲折があり、一時閉鎖されますが、1992年ナポリ・マンドリン・オーケストラのコンサートマスターでもあるマウロ・スクイッランテ(現学長)、並びにアートディレクターであるレオナルド・マッサの尽力により活動を再開します。このナポリ・マンドリン・アカデミーの精鋭たちを中心に編成されたのがナポリ・マンドリン・オーケストラです。同オーケストラは編成をオーケストラにしたり室内楽にしたりして変化に富んだ活動を展開しており、世界中(ニューヨーク・ドイツ・フランス・イギリス・モロッコ・イスラエル、南アフリカなど)で演奏を披露しています。現在はサンカルロ歌劇場やサンピエトロ・ア・マジェラ音楽院と言ったナポリでも重要な音楽学校と提携を結び、これらの学校に於いてマンドリンクラスを立ち上げることにも成功しています。
2003年リリースのファースト・アルバム(日本では2006年に「カフェ・ナポレターナ」としてリリース)2008年5月リリースのセカンドアルバム「マンドリン・プレイズ・イタリアオペラ」に続くサード・アルバムです。
本作はボーカルにルチアーノ・カタパノを迎えて制作された、初の全編ボーカル入りのアルバムであり、古くから歌われて来たナポリ民謡、1950〜1970年代のサンレモ音楽祭で話題となり日本でもヒットしたカンツォーネの名曲に、今新たなる光を当てようと試みたのが本作の狙いです。
またM2、9などにはドラムが演奏に加わっており、前2作のアルバムと比較して、サウンド面ではとてもポップに仕上がっています。それは本作でもっと気楽にそしてより多くの方にイタリア音楽とマンドリンの魅力を味わってほしいとの想いがあります。
マンドリンの美しいアンサンブルと情感溢れるボーカルによる、イタリア音楽名曲集をゆっくりとお楽しみ下さい。
1951年生まれ。ボーカリストとして活躍しながら、ギターを弾きながら歌ったり、ヴァイオリン、マンドリン、アコーディオンやパーカッションも演奏するマルチ・プレイヤーです。ナポリの伝統的な歌のみならず、バルカン地方のポピュラー・ソングもレパートリーにしています。
ニューヨーク、ブエノスアイレス、リオデジャネイロなど世界各地にツアーに行っています。
ボーカル:Luciano Catapano
ファースト・マンドリン:Mauro Squillante ほか2名
セカンド・マンドリン:Tiziano Palladino ほか2名
マンドラ:Gianluca Campanino ほか1名
ヴァイオリンチェロ、マンドリンチェロ:Leonardo Massa
ほかにコントラバス、ギター、フルート、パーカッション、ドラムが加わっています。
ナポリ出身の劇作家の中でもおそらく最も著名なラッファエーレ・ヴィヴィアーニが書き下ろした歌劇「Piedigrotta (ピエディグロッタ)」には、多かれ少なかれ、失業者にとって次のような意味合いを込めた歌がちりばめられていました。それは、「ナポリよ永遠なれ、音楽が根差す土地、世界に歌を届け続ける街…」といったナポリ賛歌でした。
イタリアの文化的産物として最も知られているものの一つが「歌」なり音楽です。自称、最も典型的なイタリア風オーケストラの私達は、イタリアの豊かな音楽の伝統に対するオマージュを込めて演奏しています。イタリア全土における音楽の伝統の中でも、ナポリ楽曲は最も有名な部類に入ります。この良い例がサンレモ音楽祭です。同じ作品の中でナポリとイタリア両方の楽曲を収めたいと思い立ったのは、こうした理由からでした。
本作品に含まれている多様な音楽スタイルの楽曲に一貫して共通するのはマンドリンの音であり、それぞれの音楽スタイルの違いよりも共通点を見い出す手助けになれば幸いです。本作品のアイディアを提供して頂いたリスペクトレコードの高橋研一さんに感謝します。非常に楽しく、充実した気持ちで本作品を創ることができました。
──マウロ・スクィッランテ
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