ミュゼットの新たなる魅力ここにあり!今作のテーマはスウィング!
ジャンゴ・ラインハルトの作品を始め、フレンチスウィングの名曲を軽快なアコーディオンで!
■本作について
「フレンチ・カフェ・ミュージック~パリ・ミュゼット~」ですっかりその名を日本に定着させたフランス人アコーディオニスト、ダニエル・コラン。今作はミュゼットに大きな影響を及ぼした、“マヌーシュ・スウィング”を取り入れた作品です。“マヌーシュ・スウィング”とは、パリに住むロマ(通称「ジプシー」、特にパリに住む彼らは、マヌーシュという族派の者が多い)たちが、1930年代にアメリカから輸入されたスウィング・ジャズに傾倒して作り上げた音楽で、ジャンゴ・ラインハルトを筆頭に多彩なマヌーシュ・ギタリストたちが活躍したことで知られています。
ダニエル・コランは元々ジャズが大好きでしたが、“マヌーシュ・スウィング”からも大きな影響を受けており、今作はそれを形にした作品です。
■参加ミュージシャンについて
- ダニエル・コラン:アコーディオン
- フランス・アコーディオン界の伝説的巨匠、故ジョープリヴァから『鋼鉄の指を持つ男』と、その迫力あるプレーを絶賛されたコランは1941年生まれ。彼は速弾きのテクニックからも『ターボ』というあだ名まで付いているが、迫力と同時に暖かさや哀愁も伝える貴重な存在である。2007年には日本に於ける初のリーダーアルバムとなる「フレンチ・カフェ・ミュージック・パリ・ミュゼット2~セーヌ川左岸のロマンス~」をリリース。
- パトリック・ソーソワ:ギター
- スウィング・グループ“Alma Sinti(シンティの心)”のリーダーであり、現在までに4枚のアルバムをリリースしています。
- クン・ドゥ・ユーテル:ギター
- マヌーシュ・スウィングの世界でも名の通ったベルギー人。
- ジャン・クロード・ベネトー:コントラバス
- ダニエル・コランと多くの作品をレコーディングしています。
- ドミニク・ヴェルネ:クラリネット
- 以上のメンバーが奏でる、小粋でおしゃれなスウィングのビートはまさに“パリ”そのものです。
■収録曲
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- 1. 黒い瞳
- Traditional ロシア発の名曲で「ロマの国歌」と言える程に多くのロマたちに愛され、演奏されてきた。
- 2. オンブラージュ
- Gus Viseur作曲 ジャンゴ・ラインハルトとも演奏したアコーディオンの名手ギュス・ヴィズールの手による作品。
- 3. フュジティーブ
- Medard Ferrero作曲 この曲の作者メダール・フェレーロは演奏者としてのみならず、楽器の教授としても有名。タイトルは「逃亡者」という意味。
- 4. パリ、ジュテーム
- Victor Schertzinger作曲 アメリカ人ヴァイオリニスト・作曲家であるビクター・シャーツィンガーの作。「パリよお前を愛している」というタイトル。
- 5. ルプロッシュ
- Charles Peguri作曲 ミュゼット・アコーディオン独特の奏法を開発したシャルル・ペギュリ作。「非難」というタイトル。
- 6. サン・ジャンの私の恋人
- Emile Carrara作曲 歌手リュシェンヌ・ドリールの持ち歌として有名であり、彼女の専属アコーディオン奏者エミール・カララの作。
- 7. ディネット
- Django Reinhardt作曲 マヌーシュ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト作。名曲「ダイナ」からヒントを得て作曲した
- 8. パッション・ジターヌ
- Jo Privat作曲 ミュゼット・アコーディオンの名手ジョー・プリヴァ作。ジターヌとはスペインから南部フランスに住み着いたロマたちをいう。
- 9. アンジェーラ
- Patrick Saussois作曲 本CDのギター奏者パトリック・ソーソワ作。この曲のリズムはビギン。
- 10. フォリー・ア・アンフィオン
- Django Reinhardt作曲 7曲目同様ジャンゴの作。タイトルは「アンフィオンで乱舞」となる。
- 11. ブーラスク
- Michel Peguri / Jean Peyronnin作曲 アコーディオン奏者のミシェル・ペギュリとピアニストのジャン・ペイロナン作。タイトルは竜巻の意味。
- 12. リュー・ド・ラ・ロケット
- Daniel Colin / Patrick Saussois作曲 ダニエル・コランとパトリック・ソーソワの作。タイトルは「ロケットの街」の意味。
- 13. アン・フラナン・ドン・レ・リュー・ド・パリ
- タイトルは「パリの街をブラブラ歩く」の意味。心地よい長調のスウィング。
- 14. ジェルメーヌ
- Joseph Colombo作曲 アコーディオンの名手ジョセフ・コロンボの作。タイトルはコロンボの妻の名前。
- 15. 今宵ただ一人
- Paul Durand作曲 6曲目と同様にカトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画「終電車」に使用された曲。
- 16. ジャクリーヌ
- Daniel Colin / Patrick Saussois作曲 12曲目と同じ2人の手による作品。タイトルはある女性の名前を指している。古き良き時代のマヌーシュ・スウィングの雰囲気が伝わって来る演奏。
- 17. ピエリーヌ
- Daniel Colin / Patrick Saussois作曲 ゆったりとしたワルツの曲。アルバムのラストにふさわしい曲調。
※曲解説は本アルバムのライナーノートの筆者、渡辺芳也氏の原稿から一部を引用しております。