偉大なる島唄の達人にして、沖縄民謡界の重鎮 松田弘一、待望の全国デビューアルバムリリース!
15余年にわたり嘉手苅林昌と同じステージに立つなど古き良き島歌の伝統を今に受け継ぐ歌者です。
■本作について
●歌と三線の名手が数多く存在する沖縄・北谷生まれ、沖縄民謡界の重鎮 松田弘一の全国リリース作品です。
●今年(2007年)還暦を迎えるにあたり、今録音しておきたい楽曲を本人がセレクトしました。
●アルバムタイトルの如く、三線と歌にフォーカスを絞った、まさに沖縄民謡の神髄をストレートに伝える作品です。
●収録曲のほとんどは沖縄民謡の基本となるものばかりです。
●8.9曲目は今作の為の書き下ろし新曲です。
●松田弘一ならではの三線・歌が堪能出来る、長く愛聴して頂ける作品です。
■収録曲
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- 1. ハンタ原
- 近代琉球民謡の祖として知られる普久原朝喜(1903〜82)の作。「ハンタ」とは崖、傾斜地のこと。ハンタ原は傾斜のある野原の意。昔の毛遊びの場所にあたり、歌・三線が風に乗って遠くまで届いたようである。
- 2. 遊び金細工
- 金細工とは鍛冶屋の意。雑踊り(打組踊り)の金細工の物語は、辻遊郭が舞台。鍛冶屋の加那兄と遊女の真牛、阿母の三人が軽快な金細工節にのせて踊るコミカルな内容。
- 3. ナークニー〜カイサレー
- ナークニー:沖縄を代表する叙情歌の“王様”。ナークニーを習熟し、いかに個性的に演唱できるかにより、その歌い手の評価が下され ると往年の名手などは説く。ナークニーは情感に富み、優美で、本来即興が生命であったという。
カイサレー:宮古風のナークニーの散らし(後続する色どりの歌)で、生彩を見せるのがカイサレー。往時の毛遊びや宴席で必ず登場し た歌。
- 4. 二揚アッチャメー小
- アッチャメーは、①アッチャメー(歩き舞い)説と②アッチャメ!という感嘆詞説がある。二揚げアッチャメー小は、調弦を二揚にした奏法。
- 5. 汀間とぅ〜月ぬの夜節
- 汀間とぅ:役人神谷と汀間娘丸目加那との恋を風刺込め歌いあげた恋歌。役人が権力をカサに地元の娘をたぶらかすこと。そして、 一時の夢を追いシマ(村)の男を捨て役人に憧れる軽率な女性への皮肉が込められている。
月ぬの夜節:雑踊り「汀間とぅ」や「むんじゅる」の散らしとして演唱されている歌曲。このCDでは「恋する者にとって月の明るい夜も まっくら真暗な闇も本当の夜ではない。愛しいあなたがいらっしゃる夜こそ、わたしにとって本当の夜なのです」と、うったえている。
- 6. イマサンニン
- 民謡の曲名発生由来はいろいろあるが、囃子言葉が曲名になるケースもある。語意は判然としていない。毛遊び(夜の野遊び)でよく愛唱されてきた歌曲だが、歌詞は地域独自のものや共通歌詞を並べ、楽しく歌掛けを展開。
- 7. 花笠節〜安里屋節
- 舞踊家玉城盛義(1899〜1971)が振り付けた雑の女踊りで用いられる舞踊曲(花笠節)。涼しげな上布や芭蕉布を着けた装いで踊る。舞踊の内容構成は「花笠節」でしっとりと踊り、後段はテンポの早い「安里屋節」でにぎやかに演じるというもの。
- 8. イェあば小
- 恋する男女の交流が独特の味わいを放つ。タイトルは男から女へ呼びかけるシーン。さぁ、このコンビは何に心を傾け、惚れあうだろうか。
- 9. 遊びやから者
- 「遊びやから」とは遊びのつわ者、いわゆる遊びの達人の意。方言文化に明るい作詞者と三線の巧者が作曲する軽妙な取り合わせが聴衆を誘い込む。
- 10. ジッソー節
- ジッソー節は恋歌で毛遊び(夜の野遊び)歌。ジッソーは囃子言葉で意味は不詳。出会った男性から「あなたの家はどこ?どちらあたり」ときかれた娘が「あなたが私を愛しているなら、どうぞ私の村をたずねてきてください。私のシマ(村)は中城間切花の伊舎堂ですから」というもの。
- 11. 収納奉行
- 昔、琉球王府内に収納奉行という国頭・中頭・島尻に各一人配し間切を巡検して一年分の租税を決める役目の役人がいたという。この歌は、王府時代津堅島にやってきた収納奉行を接待する地方の責任者が、その準備に腐心するさまをあっけらかんと描写。
- 12. 赤山芋(紅山芋)
- 赤山芋は雑踊りの傑作、粟国島出自の「むんじゅるー」(むんじゅる節)の散らしとして配されている。
- 13. 恋し伊礼村
- だれにもふるさとがあり、幼き日の想い出は強烈に郷愁を誘う。旧北谷村(現在は町制)は本島中部にあって、戦後米軍の駐留により大変貌した。歌では平安山、桑江を中心に想い出の地が登場。作者の思いと熱き心が伝わる、ふるさと賛歌の歌曲といえよう。
- 14. 鳩間節
- 八重山鳩間島出自の「鳩間中ムイ」をもとに、名優伊良波尹吉(一八八六-一九五一)が明治の末から大正初期に大胆に改作し、振り付けた創作。鳩間節は曲といい、舞踊といい斬新で大衆を魅了し、伊良波の不朽の名作として今日も人気抜群の作品である。
M-8:作詞:ビセカツ・作曲:松田弘一
M-9:作詞:上原直彦・作曲:松田弘一
他は全て沖縄民謡曲
仲宗根幸市氏の本作品解説より一部を引用しました。