シカラムータ
「凸凹(デコボコ)」
前作(98年3月22日リリース)のファースト・アルバムでは、お囃子、トルコ、ネパール民謡等、楽曲モチーフのユニークさと意表を突くアレンジが大評判を呼び、「これを聴かずして、日本のジャズを云々するのはあまりにも不毛だ。」(スイング・ジャーナル誌 佐藤英輔氏)と言わしめた程の話題作となりました。
さらに海外でもリリースされ、併せて行われたヨーロッパ・ツアーでは、“From the Street of Tokyo to Royal Albert Hall”(ジャパン タイムス2000年7/25ポール・フィッシャー氏の記事見出し)として、イギリス、ロイヤル・アルバート・ホールにてロック・バンド、ブラ-と共演する等、素晴しいリアクションを得ました。
本作は99年7月リリース大熊亘ソロ名義のサントラ・アルバム「豚の報い」をはさんで、3年7ヶ月振り、待望のセカンド・アルバムです。
「このアルバム、カーニバルの気分です。“楽隊”の行進のあとについていく少年に、私をもどしてくれました。大熊さんのクラリネットにしびれてます。」(小沢昭一氏のコメント)との言葉に表されているように、1曲目の見せ物小屋の呼び込みから聴くものを「ここではないどこか」に連れていってくれます。それは、バルカンであったり、トルコであったり、さまざまな地域、風景、情感を1曲毎に提示していきます。M4では、ソウル・ミュージックとして魂に深く響いて行きますし、M10 ではますます人が人として生きにくい時代に於いて、アイラーの「魂の解放」が現在もメッセージとして有効性を持っていること、そして、生きて行く上での力強い勇気を聴く者に与えてくれます。
ジャンルの垣根を自在にまたぐシカラムータですが、仮にジャズというジャンルでひとまず括るとするなら本作はまさに「現在進行形のジャズ」であり、大熊及びシカラムータにしか出来ない唯一無二の「最高のオリジナリティ」あふれる作品です。
そして、それは決して難解ではなくM12を聴き終えた瞬間、素晴しい「祭」に参加した事を実感出来ると思います。
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