ダニエル・コラン&マティルド・フェブレール

「フレンチ・カフェ・ミュージック〜ギュス・ヴィズール&トニー・ミュレナ作品集〜」

Daniel Colin avec Mathilde Febrer "Gus Vs Tony"

「フレンチ・カフェ・ミュージック〜ギュス・ヴィズール&トニー・ミュレナ作品集〜」
アコーディオンとヴァイオリンが織り成す素晴らしいアンサンブル!

■本作について

パリ・ミュゼットの決定盤!
2大アコーディオン奏者ギュス・ヴィズール&トニー・ミュレナに捧げる意欲作!

2012年10月リリースの桑山哲也とのデュオアルバム以来の、ダニエル・コラン待望の新作です。今作はギタリストのドミニック・クラヴィクのプロデュースの元、ジャズ・ヴァイオリンの巨匠ステファン・ブラッベリの薫陶を受けた女性ヴァイオリン奏者、マティルド・フェブレールとのデュオアルバムです。ダニエルの情感溢れるアコーディオンとマティルドの流麗なヴァイオリンが絶妙なアンサンブルを奏でる素晴らしいミュゼット・アルバムに仕上がりました。

今作では1930年代のミュゼット黄金時代に活躍した2大アコーディオン奏者のギュス・ヴィズールとトニー・ミュレナの作品を取り上げました。2人の作品は今なお多くのアコーディオン奏者に演奏されており、その輝きは失われていません。さらに収録曲の2曲目と8曲目はダニエルとドミニックが書き下ろした新曲で、ギュスとトニーの2人に捧げられています。

パリが生んだ大衆音楽、そしてダンス・ミュージックであるミュゼットの魅力を伝える作品であり、2大アコーディオン奏者に敬意を表した内容です。

■プロデューサーノート

このアルバムで私たちが望むこと。それは聴いていただくこと。
新たなアーティストとして迎えた、才能あるヴァイオリン奏者であるマティルド・フェブレールの演奏を。
そして日本の聴衆にはよく知られたダニエル・コランのちょっと久しぶりのアルバム全面にわたる彼の演奏を。
ヴァイオリンとアコーディオンの素晴らしい協調を。
“ギュス・ヴァーサス・トニー・カルテット”
——それはギュス・ヴィズールとトニー・ミュレナの生誕100周年を機に結成されました。
ギュスとトニーは素晴らしいアコーディオン奏者であると同時にスウィング・ミュゼット・スタイルの作曲家であり、クリエーターでパイオニアでもあります。
真のパリのブルース、ワルツ、スウィングがこのカルテットで蘇るお手伝いができて私は幸せであり、誇りであります。

ドミニック・クラヴィク
(アルバムのライナーから一部抜粋しました)


■収録曲

試聴 クリックでウインドウが開きます。

1. Gracieuzette(グラシュゼット)作曲:ustave Viseur
“優美なミュゼット”との意味にも取れるギュス・ヴィズール作の曲です。
2. Antonio(アントーニオ)作曲:Dominique Cravic/Daniel Colin
ダニエルとドミニック作の新曲です。トニー・ミュレナに捧げられています。
3. Swing valse(スウィング・ワルツ)作曲:Gustave Viseur/Pierre Ferret
ミュゼットの定番曲として多くの奏者が演奏しています。ギュス・ヴィズールとジプシー・スウィングギターの名手ピエール・ポロ・フェ レ作の曲です。
4. Flambée Montalbanaise(モントーバンの炎)作曲:Gustave Viseur
この曲もミュゼットの定番曲です。冒頭のジャン=フィリップ・ヴァレのコントラバスから始まり、ダニエルとマティルドのアンサンブ ルが聴き所です。
5. Impasse des vertus(アンパス・デ・ヴェルテュ)作詞:Guy Favereau 作曲:Tony Muréna/Jean Raphaël
クレール・エルジエールのボーカル曲。ノスタルジックで少しセンチメンタルな情感を湛えた素晴らしいこの曲は、忘れられた小さな ダンスホールの事を歌っています。
6. Indifférence(アンディフェランス)作曲:Joseph Colombo/Tony Muréna
ダニエルの定番曲でもあるこの曲は、名アコーディオン奏者、ジョセフ・コロンボとトニー・ミュレナの共作です。
7. Soir de dispute(ソワール・ドゥ・ディスピュート)作曲:Gustave Viseur/Jacques Morino
ギュス・ヴィズールとアコーディオン奏者で作曲家のジャック・モリノ作によるワルツ・ミュゼットの名曲です。
8. Joseph-Gustave(ジョゼフ・ギュスターヴ)作曲:Dominique Cravic/Daniel Colin
ダニエルとドミニックの書き下ろし新曲で、ギュス・ヴィズールに捧げられています。
9. Passion(パッション)作曲:Joseph Colombo/Tony Muréna
6曲目と同じ作者によるこの曲はダニエル・コランの定番曲であり、ダニエルの流麗な早弾きを世に伝えた曲でもあります。
10. Ombrages(オンブラージュ)作曲:Gustave Viseur
ギュス・ヴィズール作のこの曲は前半のマティルドのヴァイオリン・ソロと、それを受けてのダニエルのソロ、そして2人のアンサンブ ルが聴き所です。
11. Jeannette(ジャネット)作曲:Gustave VISEUR/Louis Ferrari
ギュス・ヴィズールが自分の妻の名前をタイトルに付けた曲です。
12. 5 juin(6月5日)作曲:Gustave Viseur
アコーディオンとヴァイオリン、そしてコントラバスのアンサンブルの見事さに拍手を贈りたくなる仕上がりです。
13. Sérénade parisienne(パリのセレナーデ)作曲:Gustave Viseur/Émile Carrara
ギュス・ヴィズールとシャンソンの名作「サン・ジャンの私の恋人」の作者であるエミール・カララの作による曲です。
14. Frivole(プリヴォール)作曲:Tony Muréna
ダニエルのアコーディオン・ソロによる曲です。ダニエルのお気に入りの曲です。
15. Bouclette(ブークレット)作曲:Tony Muréna/Louis Ferrari
トニー・ミュレナがイタリア系アコーディオン奏者のルイ・フェラーリと作った曲です。ダニエルの十八番とも言えるフレーズが出てきます。

参加ミュージシャン プロフィール

■ダニエル・コラン(アコーディオン)

フランス・アコーディオン界の伝説的巨匠、故ジョー・プリヴァから『鋼鉄の指を持つ男』と、その迫力あるプレイを絶賛されたコランは1941年生まれ。パリのエスプリを最も良く伝えるフランスを代表するアコーディオン奏者。日本でのアルバムリリースも10枚を超える。

■マティルド・フェブレール(ヴァイオリン)

ステファン・グラッペリ直系のヴァイオリニスト。7歳からクラシック・ヴァイオリンを始め、1980年代末にはパリやパリ近郊のコンセルヴァトワールで優秀な成績を収める。1997年にジャズ・ヴァイオリニストのピエール・ブランシャールと出会い、さらにステファン・グラッペリに連なるディディエ・ロックウッドの指導も受けて、ジャズを中心に様々なスタイル(ピチカートやバンジョーのようなリズミカルな音色、ジプシー風、クラシックの素養、火の出るようなヴィルチュオジテ=名人芸、勘所を心得たソロ)をこなすようになる。ミュゼットもスウィングもジャズも、あらゆる音楽を都会風にもトラッド風にもさまざまなスタイルで演奏出来、多くの共演歴を持つ。主な共演者はルノー、アンリ・サルヴァドール、シャルル・アズナヴール、フランシス・カブレル、サンセヴリノ、トマ・デュトロン、マノー(文学的なラップとケルト音楽を融合させたバンド)など。

■ドミニック・クラヴィク(プロデューサー/ギター)

長くアンリ・サルヴァトールのギタリストを務めたほか、ジョルジュ・ムスタキやシャルル・アズナヴールの最新作にも参加したフランスを代表するギタリストの1人。ダニエル・コランとも長くコンビを組み、ダニエルのアルバムプロデュースを手掛ける。グループ「レ・プリミティブ・ドゥ・フュチュール」「ウクレレ・クラブ・ドゥ・パリ」のリーダーでもある。

■ジャン=フィリップ・ヴァレ(コントラバス)

来日経験も多数あり、レコーディングも多数行っている。1989年から1997年までステファン・グラッペリのトリオに在籍。

■クレール・エルジェール(ヴォーカル)

ジュリエット・グレコから絶賛されたそのボーカルには定評がある。ピエール・バルー主宰のレーベル、サラヴァから3枚のアルバムをリリースしているほか、リスペクトレコードからシャンソンの名曲集も2枚リリースしている。

■グレゴリー・ヴー(ピアノ)

パリ在住のアルゼンチン出身の巨匠アルベルト・ノイマンに師事。クレール・エルジェールのピアニストであり、長くダニエル・コランやドミニック・クラヴィクと活動を共にしている。

■パスカル・パジル(ドラムス)

ギュス・ヴィズールを祖父に持ち、ルノー、セルジュ・レジアニ、フレデリック・フランソワ、ペギー・リーなどと共演歴がある。