V.A.

「フレンチ・アコーディオン〜オリジナル・パリ・ミュゼット 1〜」

フレンチ・アコーディオン〜オリジナル・パリ・ミュゼット 1〜
これぞパリ! フレンチ・アコーディオンの魅力を伝える決定盤!
フランスのレコード大賞、アカデミー・シャルル・クロのグランプリ受賞作品!
フレンチ・アコーディオンのブームはこのCDから始まりました!

■アコーディオン

ダニエル・コラン、ラウル・バルボーザ、ジョー・プリヴァ、マルセル・アゾラ、ジョエ・ロッシ、リシャール・ガリアーノ、アルマン・サラーニュ、フランソワ・パリジ、フランシス・ヴァリスほか

■パリ・ミュゼットについて

「昼下がりの情事」「パリの屋根の下」など多くのフランス映画から流れてくるアコーディオンの調べ、パリの下町で長く愛されてきた音楽、それがパリ・ミュゼットです。“ミュゼット”とは音楽の女神“ミューズ”から来ており、まさにパリの音楽、そしてシャンソンと並んでフランスを代表する音楽です。
パリ・ミュゼットの成立は1810年頃です。19世紀に入ると産業革命の影響で、パリにはフランス国内はもとより、ヨーロッパ各地からの移民が流れ込んで来ました。そんな中、イタリア移民たちが、アコーディオンをパリに持ち込みました。ダンスホールも移民の増加と共に増えて行き、セーヌ河右岸バスチーユ近くの「ラップ通り」がそのメッカとなり、20世紀初頭にはアコーディオンをメインにしたミュゼット音楽が大流行しました。
パリ・ミュゼットはワルツを中心にポルカや、最近ではサンバ、ボサ・ノヴァなど、多彩なリズムが取り入れられており、またジャズ、ブルース、タンゴなどさまざまな音楽要素が反映しています。
まさに移民の国フランスが生んだパリ発のワールド・ミュージックであり、長く多くの人に愛されて来たフランスの大衆音楽が、パリ・ミュゼットです。ちなみに、天才ギター・プレーヤーと呼ばれたジャンゴ・ラインハルトも多くのミュゼットナンバーを演奏しています。(本作の9曲目はジャンゴの作曲です。)また、セルジュ・ゲンズブールは本作の12曲目で、その名もズバリ「アコーディオン」と言うナンバーを作曲しています。

■本作について

1990年4月から6月にわたって録音が行われた本作はフランスで大ヒットしました。しかしミュゼットは1960年代から80年代までシャンソンと並んでフランスを代表する音楽でありながら、時代の趨勢からは忘れ去られていました。アコーディオンはノスタルジーの中で聴かれ、演奏される時代遅れの楽器であり、ミュゼットもまた同様であるとされました。ロック、ディスコそしてシンセサイザーの出現により、すっかり影に隠れてしまったのです。その様な状況の中、フランス人のプロデューサー、パトリック・タンダンとフランク・ベルジュロが、世界に誇るパリの大衆の音楽文化“ミュゼット”を残そうと強い情熱を持って、立ち上がりました。2人はミュゼット・ギタリストのディディエ・ルーサンに相談し、ルーサンはその情熱にいたく感動しました。そしてルーサンはレコーディングに参加してくれるアコーディオン奏者を集めることに奔走し、その結果素晴らしい奏者が一堂に会する事になりました。レコーディングは和気あいあいと順調に進み、ワルツ、タンゴ、マヌーシュ・スウィング、アフロなど多彩な曲調と、曲毎に変わる演奏者から実にヴァラエティー豊かなプレイが飛び出しました。
このCDがリリースされて一番驚いたのは、地元のパリジャンです。“自分達の足元にはこんなに豊かな音楽があったのか!”と認識を新たにしました。日本では当時渋谷にあったCDショップ「WAVE」で本作の輸入盤が大ヒットとなり、フレンチ・アコーディオンそしてパリ・ミュゼットの魅力を初めて多くの人々に伝える作品となりました。
そして残念な事に本作に参加しているジョー・プリヴァ、ジョエ・ロッシ、ディディエ・ルーサン、ディディ・デュプラがその後死去してしまいました。二度と実現する事がない、本当に貴重な演奏を収録しているのがまた、本作の魅力でもあります。


■収録曲

試聴 クリックでウインドウが開きます。

01. 甘い喜び Douce Joie
アコーディオン:アルマン・ラサーニュ
センチメンタルなワルツ曲。奏者のアルマン・ラサーニュはレイモン・ルフェーブル・オーケストラで活躍しました。
02. マルゴーのワルツ La Valse A Margaux
アコーディオン:リシャール・ガリアーノ/ジョエ・ロッシ/フレデリック・ゲルーエ/ヴァレリー・ゲルーエ
今をときめくリシャール・ガリアーノ作のこの曲はガリアーノを含めて4人の奏者による演奏です。
03. パッション Passion
アコーディオン:ダニエル・コラン
日本でも人気があるダニエル・コランの十八番の曲です。
04. モントーバンの炎 Flambée Montalbanaise
歌:アンドレ・マンヴィエル/アコーディオン:フランシス・ヴァリス
1930年代のミュゼット黄金時代の立役者、ギュス・ヴィズールの曲にボーカルを乗せたアルバムの注目曲です。フランシス・ヴァリス はジャズ系の奏者です。
05. アフロ・ミュゼット Afro-Musette
アコーディオン:マルセル・アゾラ&リシャール・ガリアーノ
マルセル・アゾラとリシャール・ガリアーノ、2大トップ奏者の共演です。
06. アマルグラ Amargura
バンド・ネオン:ジャン=ピエール・クスティアス
本曲の主役はバンドネオンです。パリ発タンゴの名曲をどうぞ。
07. さらばセビリア Adios Sevilla
アコーディオン:ドゥニ・テュヴェリ
スペインのリズム、パソ・ドブレによる軽快な曲です。ドゥニ・テュヴェリの絶妙な演奏が聴き所です。
08. アニー・ゼット Annie-Zette
アコーディオン:フランソワ・パリジ
この曲の奏者フランソワ・パリジのオリジナルで、女性のアニーに捧げる曲です。パリジは日本にも度々来日しています。
09. たそがれのメロディ Mélodie Au Crépuscule
ギター:ディディエ・ルーサン&ディディ・デュプラ
ジャンゴ・ラインハルトのオリジナル曲。本曲の主役はギターであり、2大ミュゼットギタリストの共演です。
10. チャイニーズ・ワルツ Valse Chinoise
アコーディオン:マルク・ぺロンヌ
中国風のメロディが印象的な軽快な曲です。この曲の奏者はディアトニック・アコーディオンの名手です。
11. エースのフォー・カード Poker D'As
アコーディオン:ジョエ・ロッシ
本作の奏者は多くのシャンソン歌手の伴奏を務め、アコーディオンの学校も作りました。
12. アコーディオン Accordéon
歌:ジャック・マイユー
セルジュ・ゲンズブールの名曲。この曲はヴォーカル主体の曲です。
13. 真実のミュゼット・ワルツ La Vraie Valse Musette
アコーディオン:ダニエル・ドゥネショー
本作の奏者はディアトニック・アコーディオンの名手です。バンジョーとアコーディオンによる味わい深い演奏です。
14. マズルカ・マヌーシュ Mazurka Tzigane
アコーディオン:ジョー・プリヴァ
アコーディオン番長ことジョー・プリヴァ。当時74歳の流麗な演奏が聴き所です。
15. ボヘミアンの夢 Rêve Bohémien
アコーディオン:フランシス・ヴァリス
アコーディオンとディディエ・ルーサンが弾くエレキギターが少しブルージーなサウンドを奏でています。
16. マテロ・フェレに捧ぐ A Matelo
ギター:ディディエ・ルーサン&ディディ・デュプラ
マテロ・フェレはマヌーシュ・ギタリストの第1人者です。この曲の主役はディディエ・ルーサン&ディディ・デュプラのギターです。
17. 群衆(私の苦しみが誰にも知られませんように) La Foule (Que Nadie Sepa Mi Sufrir) 
アコーディオン:ラウル・バルボーザ
エディット・ピアフでお馴染みのナンバーを、アルゼンチン出身の奏者ラウル・バルボーザが演奏しています。
18. パシエンシア Paciencia! 
バンド・ネオン:ジャン=ピエール・クスティアス
この曲はタンゴです。バンドネオンとギターのアンサンブルです。
19. ビバ!ミュレナ Viva Murena  
アコーディオン:ドゥニ・テュヴェリ
ミュレナとはトニー・ミュレナの事で、1930年代に活躍した奏者です。ミュレナに捧げた曲です。
20. パニック Panique 
アコーディオン:マルセル・アゾラ&リシャール・ガリアーノ
マルセル・アゾラとリシャール・ガリアーノの2大奏者の共演。
21. 巴里祭 A Paris Dans Chaque Faubourg
アコーディオン:ジョエ・ロッシ/リシャール・ガリアーノ/ヴァレリー・ゲルーエ/フレデリック・ゲルーエ
アルバム2曲目と同じ4人のアコーディオン奏者による演奏です。
22. 飛翔のミュゼット Envolée Musette 
アコーディオン:ダニエル・コラン
ダニエル・コランの演奏がバリバリ全開の曲です。
23. ダンスホールが閉まってから Depuis Que Les Bals Sont Fermés
歌:カティ・ルノワール/アコーディオン:ジャック・ボロニュジ
この曲はボーカルが主体です。シャンソン歌手ダミアの曲です。


アコーディオン奏者プロフィール

フランソワ・パリジ
1962年生まれ。シシリア人を祖先に持つ。パリのアコーディオン界を代表する奏者の1人。
アルマン・ラサーニュ
1934年生まれ。レイモン・ルフェーブル・オーケストラの専属アコーディオニストを務めた。「正統ミュゼットが弾ける最後の男」と言われている。
ジョー・プリヴァ
1996年に死去した、フランス・アコーディオン界を代表する偉大なる奏者であり、ミュゼット界の生き字引とされた。
リシャール・ガリアーノ
1950年生まれ。世界指折りのジャズ・アコーディオン奏者。日本でも大人気の奏者。
ドゥニ・テュヴェリ
1924年生まれ。伝統的なミュゼット・アコーディオニストであり、バンド・ネオンもこなす。
マルセル・アゾラ
1927年生まれ。ジュリエット・グレコやエディット・ピアフ、イヴ・モンタンなどの伴奏を担当したアコーディオン界の大御所。
フランシス・ヴァリス
1957年生まれ。フランスでは珍しいピアノ式アコーディオン奏者であり、ジャズを得意とする。
ダニエル・コラン
1941年生まれ。「鋼鉄の指の男」の愛称でも知られる。日本で最も馴染みのある奏者。ソロ・アルバムも数多くリリースしている。
ラウル・バルボーザ
アルゼンチン生まれの奏者。アルゼンチンの音楽”チャマメ”を得意とし、ダニエル・コランとの共演アルバムをリリース、来日も多数。
ジャック・ボロニェジ
1947年生まれ。トロンボーン奏者でもあるイタリア系ジャズ・アコーディオニスト。
ダニエル・ドゥネショー
1956年生まれ。歴史的アコーディオニスト、エミール・ヴァシェの研究家であり、ヴァシェ同様”ミックスタイプ”という特殊なアコーディオンを演奏している。
マルク・ベロンヌ
1951年生まれ。ダイヤ・トニック・アコーディオンの名手。
ジョエ・ロッシ
1922年生まれのイタリア系アコーディオン奏者。
フレデリック・ゲルーエ / ヴァレリ・ゲルーエ
フレデリック(1959年生まれ)は、妻のヴァレリと共にジョエ・ロッシの教え子。