バーニー・アイザックス&ジョージ・クオ

「ハワイアン・タッチ〜甘きスティール・ギターの調べ〜」

ハワイアン・スラック・キー・ギター・マスターズ・シリーズ (13)
"Hawaiian Touch" Barney Isaacs & George Kuo

「ハワイアン・タッチ〜甘きスティール・ギターの調べ〜」
ハワイを代表するスティール・ギター奏者、バーニー・アイザックス。
甘く優しい絶品のスティール・ギターが堪能出来る、ハワイ音楽の決定盤!

■本作について

「ハワイ・コールズ」で活躍したスティール・ギター最後の名手が、いまや絶滅しかかっているこの楽器の魅力を後世に伝える、インスト演奏の決定盤!」
──中村とうよう氏が本アルバムに寄せたコメントより

1996年に亡くなったハワイを代表するスティール・ギター奏者、バーニー・アイザックスの代表作であり、遺作になった作品です。

バーニーはハワイからアメリカ本土に向けて放送された大人気のラジオ番組「ハワイ・コールズ」に25年間出演し、甘く優しいスティール・ギターの音色で多くのリスナーを魅了しました。そしてそれは1950年代から1960年代にかけての、一大ハワイ観光ブームをアメリカ本土に呼び起こし、また「夢の楽園ハワイ」に対する大いなる喚起にも繋がりました。

バーニーのキャリアの中でも画期的な事の1つとして、1960年にハワイアン・ミュージックを代表するギタリスト、ギャビー・パヒヌイと2枚のデュエットアルバムのレコーディングがあります。その後1996年に亡くなるまでの本人名義のレコーディング・クレジットは数百に上ります。

本作は1995年にレコーディングされた、スラック・キー・ギタリストのジョージ・クオとのデュオ作であり、ハワイアン・ミュージックの歴史に於いて、アコースティックのスティール・ギターとスラック・キーによる純粋なデュオによる録音は本作が初めてです。

収録曲は「プア・リリア」「ビューティフル・カハナ」のバラード曲から、躍動感溢れる「モアナ・チャイムズ」、そしてブルージーな「フラ・ブルース」まで、スティール・ギターの魅力が堪能出来る選曲です。 バーニーのスティール・ギターは古き良きハワイを今に伝える大変素晴らしい雰囲気を持っており、現代に於いてはもはや誰も再現する事が出来ない、唯一無二の演奏スタイルを持ったミュージシャンです。


■収録曲

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1. Maui Medley マウイ・メドレー
ケ・アラ・オ・カ・ローズ(バラの香り)〜カ・ロケ(ザ・ローズ)〜ロゼラニ・ブラッサムズ〜ハノハノ・オリンダ〜キラキラ・オ・ハレアカラ(大いなるハレアカラ)〜マウイ・ノ・カ・オイ(マウイ・イズ・ザ・ベスト)
マウイ島でよく知られた6曲のメドレーです。バーニーとジョージの掛け合いが楽しめる仕上がりです。なお、メドレーのラスト曲は別名「マウイ・チャイムズ」としても知られています。
2. Waltz Medley ワルツ・メドレー
ホノルル・アイズ〜アロハ・ノ・ワウ・イ・コウマカ(君の瞳を愛してる)〜ワイラナ
ワルツはハワイアン・ミュージックの中でも20世紀初期の頃から愛されて来ました。バーニーとジョージがラジオ番組「ハワイ・コールズ」の中でよく演奏していた「ホノルル・アイズ」と、バーニーが好きな作品の1つに上げている「ワイラナ」を含むメドレーです。
3. Moana Chimes モアナ・チャイムズ
作曲家M.K.モケの作品として知られる「モアナ・チャイムズ」は多くのスティール・ギタリストによって録音されています。スティール・ギターのハーモニクスが、チャイムの様に聴こえます。
4. Pua Lilia プア・リリア
プア・リリア(ユリの花)は、古典的なラブソングであり、よく知られたハワイアンの1曲です。バーニーの大変美しいスティール・ギターの調べが印象に残ります。
5. Lei Momi レイ・モミ/‘Ili Puakea イリ・プアケア
バーニーは自分の父親の作品であるこの2曲のラブソングを、ずっと前から録音したいと思っていました。バーニーのスティール・ギターのフレーズが大変印象的です。
6. Hula Blues フラ・ブルース
このよく知られたメロディーの作品は1920年代のもので、ジョニー・ノーブルの手によるものです。軽快なスティール・ギターの調べが素晴らしい作品です。バーニーとジョージが一緒にやった最初の曲です。
7. Wehiwehi‘Oe ヴェヒヴェヒ・オエ
本当にゆったりとしたロマンティックな曲調の曲です。古き良きハワイにタイムスリップするかの様な、バーニーのスティール・ギターが素晴らしい曲です。
8. He Aloha Nō‘O Honolulu ヘ・アロハ・ノ・オ・ホノルル/Mauna Loa マウナ・ロア
この2曲は多くのスラック・キー・ギタリスト達に愛されて来ました。「ヘ・アロハ・ノ・オ・ホノルル(ホノルルへの別れ)」と、オアフからマウイを経てハワイ島に渡る“マウナ・ロア”という名の連絡船での船旅を描いたのが「マウナ・ロア」です。
9. Beautiful Kahana ビューティフル・カハナ
ハワイの偉大なる作曲家の1人、チャールズ・E・キングの作品。ゆったりとした優雅な演奏です。
10. Aloha Nui Ku‘uipo アロハ・ヌイ・クウイポ
バーニーの父の作品で、ジョージとバーニーはレコーディングする前からこの曲をパーティーなどで演奏していました。この曲もゆったりとした演奏が美しい曲です。
11. ‘Ahulili アフリリ/Noni Wale Nā Hala ナニ・ワレ・ナー・ハラ
「アフリリ」はマウイ島にある山のことですが、2人の男性から言い寄られる未亡人のことを歌い込んでいます。「ナニ・ワレ・ナー・ハラ」はエマ女王を讃えた歌です。この曲の最後のヴァースでのバーニーの美しい演奏が印象に残ります。
12. Goodnight,Mapuana グッドナイト、マプアナ
「ハワイ・コールズ」の番組の中でバーニーとジョージが一緒に演奏した曲で、子守歌です。
13. Lahaina Luna ラハイナ・ルナ
バーニーの弟であるスラック・キー・ギタリストのアタ・アイザックスが創作したチューニング、Cメジャー“アタのC”チューニングをジョージは使っています。コンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックの父、クイ・リーの作品です。
14. Old Plantation オールド・プランテーション/Ku‘u Pua I Paoakalani クウ・プア・イ・パオカラニ
アルバムのラストはバーニーのソロによる演奏です。ハワイアンの古典作品であるこの2曲を大変印象的なソロ演奏で締めくくっています。


バーニー・アイザックス・プロフィール

1942年7月18日ホノルルに生まれ、1996年2月12日に死去したバーニー・アイザックスは、ハワイを代表するスティール・ギタリストであり、レコーディング・アーティストです。1948年にバーニーの父のグループ、伝説のロイヤル・ハワイアン・セレネイダーズのメンバーとなります。また大人気のラジオ番組「ハワイ・コールズ」に25年に亘って出演しました。1950年代はワイキキ・レコードの音楽ディレクターを務め、数々の名作を制作します。1960年にはギャビー・パヒヌイと2枚のデュエット・アルバムをレコーディング。1996年に亡くなるまでレコーディング・クレジットは数百を超える、まさにハワイを代表するミュージシャンです。

ジョージ・クオ・プロフィール

1970年代にデビューしたハワイを代表するスラック・キー・ギタリストの一人。高校時代にスラック・キー・ギターを始め、レイ・カーネやサニー・チリングワース、レオナード・クワンなど多くのギタリストの影響を受け、1980年に初のソロ・アルバム、1996年にセカンド・ソロ・アルバムをリリースしました。ジョージはプロのミュージシャンとしての人生のほとんどを、バーニーを始めとするアイザックス・ファミリーと共演して来ました。