ナンシー・ヴィエイラ
「そよ風のリズム、愛の歌」
Nancy Vieira "No Amá"
カーボ・ヴェルデで最高の歌声と絶賛された、ナンシー・ヴィエイラ。
カーボ・ヴェルデはセネガルの海岸から500キロ離れた所にある火山列島で、サンティアゴ島(首都プライアのある島)、サル島を始め10の島から成り立っています。
長くポルトガルの植民地でしたが1975年に独立を果たしました。言語的には、公用語はポルトガル語ですが、一般的にはカーボ・ヴェルデ・クレオール語が使われています。また一部サン・ヴィセンテ島ではフランス語も使われています。
カーボ・ヴェルデは音楽家と詩人の国でもあります。本CDの音楽スタイル「モルナ」(ポルトガル人にとってのファドに匹敵するものです)、ダンス音楽「コライディラ」、農作業の後の集まりや地域のお祭りなどで発展してきた「バトゥーケとフィナソン」、大衆的なミュージカルのジャンルとして発展してきた「フナナー」など、多彩な音楽のジャンルがあり、それぞれのジャンルには歌詞を書く多くの詩人が存在しています。
またカーボ・ヴェルデの人々は自分達の土地を非常に愛しており、カーボ・ヴェルデ人であることの素朴な喜びを誇りにして生きています。
1975年に生まれたナンシー・ヴィエイラ。父親は運輸通信大臣という重職にありながら、アマチュア・ミュージシャンとしてギターとヴァイオリンで活躍していました。
ナンシーが14歳の時、父親はカーボ・ヴェルデ大使としてポルトガルに赴任し、それに伴い一家はリスボンに移りました。ナンシーはリスボン大学に入学しますが、ある夜、友人が出場することになっていたソング・コンテストに同行します。ナンシー自身は出場する予定はなかったのですが、ある曲を聴きながらハミングしていると、「君も歌ってみないか」と誘われ、歌ってみたところ、なんと優勝してしまいます。それがキッカケとなり、1996年にファースト・アルバムをリリースします。さらに2004年にはセカンド・アルバム、そして2007年にリリースされたサード・アルバムが大ヒットし注目を集めます。本作は4枚目のオリジナル・アルバムです。
現在、同じカーボ・ヴェルデ出身の“裸足のディーヴァ”こと故セザリア・エヴォラと並ぶ、同国を代表するシンガーです。アルバムとコンサートは、イギリスやフランスを始め、ヨーロッパ各地で高い評価を得ています。
カーボ・ヴェルデ人にとって心の音楽と言える、「モルナ」と呼ばれるジャンルに属する本作は、カヴァキーニョ(ブラジルではサンバ、ショーロに使われるほか、カーボ・ヴェルデでも広く使われています)とポルトガル・ギターの心地よいアンサンブルに、フルートやパーカッションが彩りを添える、100%オーガニックなナチュラル・サウンドです。そこにナンシーのリラックスしたボーカルが加わると、まさにパラダイス・ミュージック、夢心地のサウンドとなります。
歌詞はオリジナルアルバムタイトルの“No Amá=愛し合いましょう”に代表される様に、ラブ・ソング、わが子に対する子守唄、生きる事に対する喜び、カーボ・ヴェルデに寄せる思いなどが歌い込まれています。
録音はカーボ・ヴェルデのサン・ヴィセント島で行われ、ミックスダウンはパリで行われました。
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