V.A.

「京都 音のおみやげ決定盤~和楽器による京の調べ、日本の調べ~」

「京都 音のおみやげ決定盤~和楽器による京の調べ、日本の調べ~」
京音楽を楽しめるCDがほしい。京都のおみやげに最適なCDがほしい。外国の方にプレゼント出来るCDがほしい。
その様なリクエストに応えるありそうでなかった魅力的なアルバムです。

演奏:上原潤之助:三味線(細棹三味線・中棹三味線)、岡本芳文:胡弓、 杉浦充:琴(十三絃箏)、川俣夜山:尺八、 藤舎理生:笛(篠笛)・能管、望月晴美:囃子(鳴物)、廬慶順:囃子(鳴物)


■本作について

京都は西暦794年から1869年に皇居が東京に移転するまでの1000年余り、まさしく日本の文化の中心でした。天皇を中心とした公家(貴族)の文化と商人による経済に支えられて、様々な芸能が花を咲かせました。音楽も公家の雅楽、武士の能楽を始め、町人たちの娯楽や教養として京都を中心に発達しました。

このアルバムでは、美しい京都の四季の風景と情緒豊かな町並みを、ゆかりある様々な曲目でお楽しみ頂けます。また「さくら」「春の海」を収録する事により、日本の代表的な調べに触れて頂けると共に、京音楽との対比も楽しんで頂けます。尚、楽器に関しては京三味線(柳川三味線)を意識した音色を再現する等、演奏面での配慮をしました。 京都で育まれて来た素晴らしい音楽をお楽しみ下さい。


■収録曲

試聴 クリックでウインドウが開きます。

1. さくら〜箏独奏による主題と六つの変奏〜
有名な箏の入門用の旋律を元にした六っの変奏曲。藤井凡大作。「さくら」の録音物でも、このアレンジでの録音はあまりありません。
2. 御所のお庭
原曲は三味線伴奏による端唄。京都御所に咲く桜と橘や、降り積もる雪をテーマにしています。
3. 祇園小唄
無声映画のための主題歌として1930年に作曲。佐々紅華作。街と舞妓の風情をテーマにしています。
4. 嵯峨の秋
菊末勾当作の明治初期に作られた箏の二重奏曲ですが、今回は尺八・箏バージョンで演奏しております。
5. 京の四季
京都の四季を歌った端唄。秋の虫の声、雪の情景を表す太鼓、鴨川の流れを暗示する太鼓の効果音による夏の風情を演奏に折り込んでいます。
6. 御所車(香に迷う)
幕末期(1850年代)に流行した端唄。小野小町に恋した、深草少将の故事に由来する曲です。
7. 祇園囃子
毎年七月に行われる祇園祭りで、山車の巡行の際に演奏される曲です。
8. 京の大仏つぁん
京都には数多くのわらべ歌があります。この曲も京都にかつて存在した大仏を歌ったわらべ歌です。
9. 春の海(フルバージョン・小鼓入り)
宮城道雄が1929年作曲。今回の演奏では小鼓も参加しているほか、箏の技法には伝統的なものに加えて、トレモロ奏法、左手のピチカート、ハーモニクス奏法など新しい技法も駆使されています。なお小鼓が入ったバージョンはあまりありません。

※この曲解説は本アルバムのライナーノート(森重行敏氏)から引用しております。



■メンバープロフィール

上原 潤之助(うえはら じゅんのすけ):
三味線(細棹三味線・中棹三味線・京三味線(柳川三味線) 風)
東京都出身。民謡・端唄・俗曲をベースに、現代曲・長唄・津軽三味線・三線等、細分化された三味線界において、太棹・中棹・細棹・三線と、他三味線を自在に扱えることのできる数少ないマルチ三味線プレーヤー。現在は後進指導の傍ら、TV・ラジオ等の各メディアへの出演、CD録音、書籍執筆、また純邦楽界にとどまらず、古典から現代曲・オリジナル・ジャズ・ロック・ブルース・ポップス・クラシック他、幅広い分野で演奏活動を展開している。コンサートプロデューサーとして音楽企画・制作も行う。
岡本 芳文(おかもと よしふみ):
胡弓
東京都出身。1980年本條秀太郎師に師事、本條秀若を名乗る。1985年「本條秀若の会」於ABCホール。1993年独立し現在名。NHKテレビ「民謡をあなたに」「芸能百選」「芸能花舞台」ラジオ「日本の民謡」「日本の邦楽」、民放「題名のない音楽会」「TBS街角テレビ」他、アメリカ、フランス等海外公演、端唄等のレコーディング、舞台に数多く出演。2002年より「座敷唄ライブ」開催。2006年「岡本芳文の会」深川小劇場。2008年「岡本芳文の会」秦野市文化会館。
杉浦 充(すぎうら みつる):
箏(十三絃箏)
愛知県出身。6歳から箏を始める。NHK邦楽技能者育成会34期修了。生田流箏曲正絃社准師範試験首席。NHK邦楽オーディション合格、コンクール入賞を経て94年にプロとしての活動を開始。様々なユニットのメンバーとして国内外での演奏活動を続ける中、伝統的な十三絃の箏、地歌三絃、二十絃、十七絃による自作自演のライブ「独箏ひとりごと」をライフワークとしている。03、06、08年に自主製作CDをリリース。生田流箏曲「峰と海の会」主宰補。とよはし中日文化センター講師。
川俣 夜山(かわまた やざん):
尺八
栃木県出身。都山流尺八を川村泰山氏に師事。民謡尺八を米谷智氏に師事。尺八製管を素川欣也氏に師事。都山流尺八楽会准師範試験、師範試験ともに首席登第。NHK邦楽技能者育成会第45期修了。高円宮妃殿下御出席「衣分はじめの儀」の音楽にて尺八演奏。都山流尺八本曲コンクール銅賞。文化庁平成18年度新進芸術家国内研修制度研修員。第13回長谷検校記念くまもと全国邦楽コンクールにて優秀賞受賞。NHK邦楽オーディション合格。
藤舎 理生(とうしゃ りを):
笛(篠笛)、能管
静岡県出身。邦楽囃子藤舎流笛方。1983年藤舎推峰(現 二世藤舎名生)に入門。篠笛・能管を師事。1987年同志社大学文学部文化学科美学・芸術学専攻卒業。1900年理生の名を許される。古典邦楽会、日本舞踊会での演奏の他、現代曲への参加、篠笛曲の作曲など幅広く活動。2008年笛二重奏オリジナル曲等を収録したCD「天界一会」を発表。三笠宮寛仁親王主催公演「愛のコンサート」に出演。社団法人長唄協会会員。囃子「眞しほ会」「邦楽囃子新の会」同人。「笛 理生の会」主宰。
望月 晴美(もちづき はるみ):
囃子
東京都出身。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業、同大学院音楽研究科修了。邦楽囃子を宗家藤舎せい子、長唄を今藤美知、江戸里神楽を若山胤雄に師事。邦楽グループたまゆらメンバー、長唄協会会員、邦楽囃子新の会同人、晴櫻会主宰。平成19年度文化庁芸術祭レコード部門参加作品CD「囃子の音魂」をリリース。「第三回望月晴美囃子演奏会」にて平成21年度文化庁芸術祭音楽部門新人賞受賞。
http://harumi.kmlw.net/
盧 慶順(ろ きょんすん):
囃子
山口県生まれ。在日韓国人三世。邦楽囃子演奏家として古典邦楽、現代音楽などの幅広い分野で活動している。邦楽囃子を望月太喜之丞師、江戸囃子を故丸謙二郎師、長唄三味線を杵屋五司郎師に師事。大阪外国語大学地域文化学科卒業。東京芸術大学音楽研究科邦楽囃子専攻(博士課程)修了。芸邦会会員。日本音楽集団に在籍。海外公演、全国の小中学校での公演、また現代音楽などの録音多数。文化を通して国の枠を越え相互に理解する事を目標に音楽活動している。