ルドヴィコ・エイナウディ

「希望の扉」

LUDOVICO EINAUDI "DIVENIRE"

「希望の扉」
ヨーロッパで絶大なる人気を誇るイタリア人ピアニスト、1年振りのニューアルバムリリース!
詩情豊かに紡ぎ出されるメロディーが心に染み渡る作品です。

■本作について

本国イタリアでは発売直後にクラシック・チャート1位をマークした注目作!
7,11曲目は2009年3月公開の映画『THIS IS ENGLAND』挿入曲!
6曲目はCM曲としてヨーロッパでヒット中!

2008年3月19日にリリースした日本デビューアルバム「光、溢れる日々」が大きな話題を呼び、5月に実施された来日公演も大絶賛だった今最も注目のイタリア人ピアニストによる待望の新作です。
前作は全くのピアノ・ソロでしたが、今作は前記の共演者を交えて、より広がりのある世界を作り出しています。
本作についてルドヴィコ・エイナウディは次のように語っています。

「このアルバムは、長期に渡って発展してきた結果の作品です。始まりは2002年に遡ります。当時、私はドロミテ音楽祭の主催者から作曲のオファーを受けました。そして作った曲をオーケストラとのパフォーマンスにより、サン・マルティーノの山群をバックに、海抜2000メートルもあるドロミテ山脈の台地で披露することになったのです。
そのパフォーマンスは非常に強烈な体験でした。まるで山肌を転げ落ちる川の中にいる様な感覚を覚えました。大自然のパワー、スピード、水、空間、そして風を身体に感じ、恍惚状態に陥りました。
その体験以来、他にも多くの素晴らしいプロジェクトに参加してきましたが、ドロミテでの体験で得た感覚を発展し、拡張させたいと常に思っていたのです。
さらに、多くのライブ・コンサートを通じて、同じ作品を毎回同じように演奏するのではなく、インプロヴィゼーションを加えてみたり、コンピューターで作って録音したサウンドエフェクトなどを、ライブに取り入れてみるようになったのです。このような方法で次から次へと新たな作品がどんどん生まれてきたのです。
その様にして生まれた作品をモザイクのように組み合わせて、(ドロミテ山脈の台地で見た様な)山や平原や海が同時にそこに存在する、大自然の風景を再現してみたくなったのです。その大自然の風景の中に、自己をどっぷりと沈めたくなるような、永続的な「生成」(オリジナル・アルバムタイトル"DIVENIRE"の意味)という状態を体験したい──。
そんなエネルギーに満ちあふれた世界を再現したいと思い立ったのです。」
──ルドヴィコ・エイナウディ


■ルドヴィコ・エイナウディ プロフィール

ルドヴィコ・エイナウディは1955年イタリア北西部のトリノで生まれました。ヨーロッパではコンテンポラリーミュージックのトップピアニストとして評価されており、現在までにリリースされたアルバムは、イタリア、イギリス、スペイン、ドイツで60万枚以上売り上げています。また、多数のサウンドトラックを手掛けており、日本でも公開された『私の目の光』(2001年)では2002年度イタリア音楽賞最優秀サウンドトラック賞を、『ジバゴ』(2002年・日本未公開)では2004年ニューヨーク・フェスティバルでゴールド・ワールド・メダルを受賞、2009年日本公開の『THIS IS ENGLAND』に計4曲を提供しています。  彼のソロ・アルバムは現在までに10枚リリースされており、1996年リリースの「波(Le Onde)」がヨーロッパで大ヒットしました。2004年秋にはイギリスのデッカからリリースされたアルバムが一気にクラシック・チャートのトップに踊り出、その後ロンドン、ロイアル・アルバート・ホールでの公演が完売となりました。  エイナウディはルチアーノ・ベリオ(イタリアの作曲家であり、ビートルズの「ミッシェル」の編曲も手掛けている)の元で指導を受け、クラシックとアバンギャルド音楽の両方を習得しました。そして演劇とダンスの一連のコラボレーションを通して、自身の作曲スタイルを身に付けて行きました。1980年代以降、エイナウディの音楽スタイルは明確な形を持つようになり、先のソロ・アルバム、サウンドトラック以外にも演劇・ダンスのパフォーマンス「タイムアウト」(1998年)、オペラ・バレエ「サルガーリ」(1995年)を手掛けたほか、アルメニア、マリ、トルコ、ポルトガルなど世界各地の多彩なミュージシャンとも競演しています。  2008年3月には日本デビューアルバムをリリースし、初来日。イタリア文化会館での初のお披露目コンサートを行いました。また5月にも東京でコンサートを実施し、大好評を得ました。現在もピアニストとしての活動を軸としながら、多方面でその才能を発揮しています。尚、エイナウディはイタリア政府より音楽大使に任命されています。


■収録曲

試聴 クリックでウインドウが開きます。

全曲オリジナル曲です

1. ひとつ (Uno)
「音楽が空気に漂う、謎めいて、まるで疑問符のように。」トゥ・ロココ・ロットのメンバー、ロバート・リポックが作り出すエレクトロニック音楽とのアンサンブル。
2. 希望の扉 (Divenire)
ドロミテ音楽祭のために作られた作品。ロイアル・リバプール・ハーモニー管弦楽団とのアンサンブル。「おそらくこの曲が作品全体に流れるエネルギー、前掲のアルバムについて述べたコメントの理念を最もよく表現している曲。」
3. 月曜日 (Monday)
「私のホームページには、フォーラムのメンバーが気軽に私を訪ねてくれるようなオンライン・チャット・ルームがあります。そこでこの曲のラフ・バージョンを演奏したのですが、大変反応が良く、それをより練ったのがここで聞かれるヴァージョンです。」
4. 旅立ち (Andare)
イタリアのペーザロにあるロッシーニ劇場でチェロ奏者のマルコ・デシモとの共演のライブ音源。「このバージョンを選んだ理由は強力なエネルギー、新鮮なインプロヴィゼーション、そして完成された作品としての火を持っているからです。」
5. 一輪のバラ (Rose)
イタリアのジェノアでの科学フェスティバルで演奏された曲であり、ジェノアの海にインスパイアされた作品。
6. 春 (Primavera)
ロイアル・リバプール・ハーモニー管弦楽団との共演作。「2回の間奏で、管弦楽団はビバルディを連想させるような非常に速いスケールでアンサンブルに加わり、高い演奏技術を披露しています。」ソニー・ブルーレイTVのヨーロッパに於けるCM使用曲。
7. 海のかなたに (Oltremare)
「CDの中で最も長い曲で、ライブ演奏を通じて成長してきた曲です。子供と一緒にノルウェーを船旅した時、ギターを買い、いろいろな曲を弾きました。レッド・ツェッペリンからオアシス、ガンズ&ローゼズまで。この曲はその旅の直後に作った曲です。」イギリス人監督シェーン・メドウズの映画『THIS IS ENGLAND』の挿入曲。
8. 秘められた力 (L'Origine Nascosta)
「この曲はバックにコードが鳴る、とてもデリケートなピアノ曲です。ある時点で、まるで突然、巨大な氷山が海を割って現れるように、弦楽オーケストラのサウンドが鳴り響きます。」
9. 飛翔 (Fly)
エイナウディによるエレキ・ギターが聞ける曲。エレキ・ギターを使ったのはこの曲が初めて。
10. 耳を傾けて (Ascolta)
ここで聞かれるピアノの音には通常はギターに使われるエフェクトを加えてあり、斬新な効果が施されている。
11. 家路 (Ritornare)
「この曲はライブ演奏中に作られた曲であり、ライブでよく演奏する曲です。劇のエンディングを締めるモノローグのような曲ですね。」イギリス人監督シェーン・メドウズの映画『THIS IS ENGLAND』の挿入曲。
12. 残影 (Svanire)
エイナウディのピアノが入っていない唯一のオーケストラによる楽曲(マルコ・デシモがチェロのソロで参加)。「未完のまま終わる曲です。同時に詩的で抽象的な曲なのです。遠く地平線にうっすら現れる山脈のシルエット、起伏に富んだ形は、何故そのような形になっているのか不思議に思う、そのような曲です。」