ルドヴィコ・エイナウディ

「光、溢れる日々」

Ludovico Einaudi "La Scala:Concert"

「光、溢れる日々」
詩情豊かに紡ぎ出されるメロディー。ヨーロッパで絶大な人気を誇るイタリア人ピアニスト、待望の日本デビューアルバムついにリリース!

「私にとってピアノは家。部屋を一つ一つ設計して、材料から細部に至るまで綿密に選び抜いて、この手で建てた家。そこには私の生きてきたすべて、そして私の愛するすべてのもののエッセンスが詰まっています。」
──本作リリースによせて


■プロフィール

ルドヴィコ・エイナウディは1955年イタリア北西部のトリノで生まれました。ヨーロッパではコンテンポラリーミュージックのトップピアニストとして評価されており、現在までにリリースされたアルバムは、イタリア、イギリス、スペイン、ドイツで60万枚以上売り上げています。また、多数のサウンドトラックを手掛けており、日本でも公開された『ぼくの瞳の光』(2001年)では2002年度イタリア音楽賞最優秀サウンドトラック賞を、『ジバゴ』(2002年・日本未公開)では2004年ニューヨーク・フェスティバルでゴールド・ワールド・メダルを受賞、2006年公開の『This Is England』では4つの国際賞を獲得しています。
彼のソロ・アルバムは現在までに10枚リリースされており、1996年リリースの「波(Le Onde)」がヨーロッパで大ヒットしました。2004年秋にはイギリスのデッカからリリースされたアルバムが一気にクラシック・チャートのトップに踊り出、その後ロンドン、ロイアル・アルバート・ホールでの公演が完売となりました。
エイナウディはルチアーノ・ベリオ(イタリアの作曲家であり、ビートルズの「ミッシェル」の編曲も手掛けている)の元で指導を受け、クラシックとアバンギャルド音楽の両方を習得しました。そして演劇とダンスの一連のコラボレーションを通して、自身の作曲スタイルを身に付けて行きました。1980年代以降、エイナウディの音楽スタイルは明確な形を持つようになり、先のソロ・アルバム、サウンドトラック以外にも演劇・ダンスのパフォーマンス「タイムアウト」(1998年)、オペラ・バレエ「サルガーリ」(1995年)を手掛けたほか、アルメニア、マリ、トルコ、ポルトガルなど世界各地の多彩なミュージシャンとも競演しています。現在もピアニストとしての活動を軸としながら、多方面でその才能を発揮しています。尚、エイナウディはイタリア政府より音楽大使に任命されています。

■本作について

このアルバムは2003年3月3日にミラノのアルチンボルディ劇場で録音されました。(世界のオペラの殿堂であるスカラ座は2002年から2004年の間修復中であり、スカラ座が主催する数々のオペラ、イベント、コンサートはアルチンボルディ劇場で行われていました。)ディスク1は組曲形式で、2001年リリースのアルバム「I Giorni(The Days・本作の5曲目に表題曲を収録しております)」からのセレクションとマリを訪ねた後の2000年に書かれた作品が収録されています。ディスク2にはアルバム「Eden Roc」「Le Onde」からのセレクションと、サウンドトラックとして書いた作品が収録されています。


■収録曲

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DISC 1

1. アフリカの旋律(Melodia Africana I)
マリを訪ねた際に興味を持った16世紀のアフリカの歌「Mali Sajio(マリ・サジオ)」がベースになっています。
2. ふたつの川(I due fiumi)
これもマリを訪ねた際に見た全く違う2本の川の流れをテーマにしました。
3. もう一つの人生(In un'altra vita)
旅に出た時には、自身と異なった生活、生き方をする人々に出会います。私と彼らそれぞれの立場が入れ代わったらどうなるでしょう?
4. 夜明けの星(Stella del mattino)
砂漠の真ん中で1人星を見上げた時に湧き上がった感情を元にしています。
5. 光、溢れる日々(I giorni)
光、溢れる日々。素敵な生のリズムを奏でる、波の様に止むことのない日々。
6. リンボー(Limbo)
リンボとはダンスの事ではなく、音楽や人生に於いて答えが見つけられない時の事。
7. 秘密の言葉(La nascita delle cose segrete)
砂漠の中の村で、長老が語った言葉とは?
8. こんな素敵な夜に(Bella notte)
M3のヴァリエーションです。但しコーダの部分は完全に違います。

DISC 2

1. 夜の向こう側(Fuori dalla notte)
私の人生がトンネルに入ってしまった時、この曲が光をくれました。
2. 窓越しの風景(Al di la del vetro)
窓を通して見た風景に、心をつかまれる事があります。その瞬間をテーマにしました。
3. 白夜(White night)
決して暮れないロシアの白夜からインスピレーションを得ました。
4. 暗い線(La linea scura)
ヴァージニア・ウルフの小説「The Waves」で描かれている風景を実体験した事から始まりました。
5. 予期せぬ日(Giomi dispari)
望んだ事や思いが、逆に出てしまう日がありますが、そんな日がテーマの根底にあります。
6. いつもの道を(Passaggio)
夏の朝、いつもと同じ漁師と女性の2人連れが通り過ぎて行きます。その風景が印象深く残っていました。
7. ネフェリ〜ギリシャの少女によせて〜(Nefeli)
ネフェリとはギリシャ神話で雲の事です。そんな名前を持った小さな少女をモチーフにしています。
8. 解決へのパスワード(Password)
ドアが開かない時、さまざまな数字の組み合わせを入力していると突然開く事があります。音楽を作る時、迷宮に入ってしまっても同じように突然解決する事があるものです。
9. 今夜、思い出のメロディーと(Questa notte)
私の母が弾いてくれた16世紀のフランスの民謡が忘れられません。そこからこの曲がスタートしました。
10. ジュリアに(Julia)
私の想像の女性ジュリアに捧げます。
11. レディ・ジェーン(Lady Jane)
私は姉妹が聞いていたローリング・ストーンズのナンバーが大好きでした。
12. もうひとつの世界(Fuori dal mondo)
ピアノと弦楽四重奏の為に書いた曲で、アルバム「Eden Roc」収録の1曲です。元は映画『もうひとつの世界(邦題)』の為に書きました。
13. 波(Le Onde)
1995年にヴァージニア・ウルフの小説「The Waves」を読んだ事から始まりました。